第10回 春

ロロを合唱部に勧誘する“作戦”を決行したものの、その後もロロは合唱部に現れなかった。そして今日は音浜祭の本番。未来が部長になってから初めてのステージで、音浜合唱部はどんな歌を響かせるのか……?
大ヒットボーカロイド小説『桜ノ雨』シリーズの第2弾『桜ノ雨 僕らが巡り逢えた奇跡』の一部を紹介します。シリーズ最新刊『Fire◎Flower』も発売中!


 四月末。各地は季節外れの台風に見舞われていた。
 音浜町でも停電等の被害が起こり、大詰めの練習があまり出来ないまま、わたしたちは音浜祭を迎えることになってしまった。

 それから数日後、ゴールデンウィーク最終日。
 今年も合唱部は音浜町民文化会館の控え室にいた。
 新入部員はあれから若干名増えたものの、やはり男子の入部希望者は来ないままだった。
 でも、そこはもう仕方ないということで、ややかたよったパート編成のまま、初めての舞台に挑むことになった。
 祢留と羽玖は控え室の隅で「緊張する緊張する」を連発していた。そんな二人に鈴が忍び寄った。
「ねえ、二人とも知ってる? 舞台には魔物が棲んでるんだって。でね、お客さんが急にモンスターに見えてきて、いきなり声がでなくなっちゃたりとか。あとは覚えてた歌詞がパーンと飛んじゃって、アタマが真っ白になっちゃうとかもあるんだよ?」
「や、やめてくださいーッ」
「は、はうう……」
 鈴の脅しに祢留と羽玖は震えあがっていた。

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桜ノ雨 僕らが巡り逢えた奇跡

雨宮ひとみ /halyosy

「もしも、初音ミクが女子高生だったら・・・」で話題となったボーカロイド小説『桜ノ雨』シリーズ。第三弾として、スピンオフ作品『Fire◎Flower』が8月28日に発売されました。 それを記念して、シリーズ第2弾にあたる『桜ノ雨 僕ら...もっと読む

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