いまの自分に誇りと自己有能感を持つ
画家で作家のはせくらみゆきさんは、敏感な人たちが悩みを解消するにはどうしたらいいかということに答えて、「それは簡単です。悩まないと決断するだけでいいんです」と言っています。
「悩むのをやめる」という決心をすること。あとは「自分は幸せになるんだと、幸せのほうを向くだけでいい」と言っています。
悪いものしか見えない状態でその世界に居続けることは、自分を狭めてしまいます。思春期なんかはとくにそうで、10代の子たちが「お先真っ暗」などと言いますが、真っ暗な中にいて、ずっと暗闇を見つめ続けているからそうとしか見えないのであって、ちょっと視点を移して上を見上げてみれば、かすかな光の一点の向こう側には青い空が広がっているわけです。
八方塞がりに思えても、天を見上げれば開いていたりする。見方を変えれば、景色も変わります。流れも変わります。
それには、いまの自分自身に自信と誇りが持てることが大切です。
先ほどの女性が「もういい」「私は頭でっかちだった」と思えるようになったのは、いままで自分がやったことのない種類の仕事に就き、体を動かしてだれかのために役に立つことをしているという自己有能感が自信につながったのではないかと私は見ています。
「強み」を手に入れるとは、別に高い能力を手に入れようとすることではありません。自分に対して、周囲に対して、将来に対して、ワクワクするような楽しみを得ていくと考えたらいいのではないでしょうか。
だれかの期待に応えるための能力探しをするのではなく、自分がこの世の中に何をしに生まれてきたのか、どうしたら世の中を楽しく幸せに生きられるのか。そのために何か行動を起こす。そういうことが大事なのです。
HSPが輝ける場
敏感すぎて、臆病で、弱いとされるHSC、HSPですが、だからこそ人に優しくできるのです。だからこそ人の痛みがわかるのです。
敏感さに対して、誇りを持てるようにする。自己肯定感を持てるようにする。それはとても豊かな資質だと、折に触れて教えてあげてください。HSCの周囲にいる大人は、繊細で傷つきやすいけれど、だからこそそれが強みにできるのだということを伝えてあげる役目を担っています。