常識をひっくり返す「べてるの家」

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

常識をひっくり返す「べてるの家」

 いま、精神医学でひとつの大きな波となっている動きがあります。その発信地は北海道の浦河にある「べてるの家」。教会を拠点とした活動です。向谷地生良さんがグループで始めたものですが、ひとつのムーブメントとして展開し、いまや海外からも視察が来たりするほど有名になっています。
 何をやったかというと、「常識にとらわれない」ということをやったのです。ものごとをひっくり返して捉える。すなわち、「弱さとは強みである」という発想です。
 最初は、「理念としてはわかるけど、そんなことをやっていても社会適応できないんじゃないか」という捉えられ方をしていましたが、その理念に基づいた活動がすごく精神医学に有効だということがわかってきたのです。
 べてるにはいろいろなキャッチフレーズがあります。これがどれもユニークなのです。
「病気は治しません」
「病気は治すより活かせ」
「病気を味わいなさい」
 せっかく病気になったのだから、治そう、治そうと考えないで、それを体験として味わったほうがいいよ、というわけです。
 当事者研究といって、病気や障がいを抱える当事者たちが自分自身のことを研究対象として、それを発表する。医療者も患者もなく、支える者と支えられる者の区別もなく、みんなで一緒に研究していきましょうということをやっています。みんな対等、みんな初心者だという考え方です。
「初心対等」
「経験は宝です」
「弱さの共有」
「自分の苦労をみんなの苦労に」
「自分を助ける。仲間を助ける」
 自分の弱さをさらけ出すことで、自分の苦労をみんなと分かち合うこともできる。自分を助けることが、仲間を助けることになる。どんどん自分の弱さを出していくことで、かえって、みんなの役に立つという考え方です。

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

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ukigumo1031 自分のこと 病気のこと 責めてしまう方に。 https://t.co/ITQ1thUqWS 7ヶ月前 replyretweetfavorite

yomimonocom 「べてるの発想でいけば、弱さには意味があり、弱さは確実に力なのです。 」 HSPの第一人者、長沼睦雄医師の連載「子どもの敏感さに困ったら」 第58回「」がcakesにて公開!(毎週木曜更新) https://t.co/k0fn6hvF0L 7ヶ月前 replyretweetfavorite