5G大戦

アナログな基地局建設は3社寡占、“5G特需”の山分けなるか

基地局建設は人手のかかるアナログな作業で、通信の世代交代に合わせて受注の「山」と「谷」が訪れる。5G普及に国や通信キャリアが前のめりな今、“5G特需”への期待が高まる。

※ 『週刊ダイヤモンド』2019年11月9日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)

 住民に懇切丁寧に説明を尽くす。マンション管理組合の同意を得て、用地を確保して……。

 大容量・低遅延で大量のデジタルデータを無線でやりとりできるのが5Gの強みだが、それを実現するための基地局建設の工程は、実にアナログだ。

地方の系列化を進め3社でシェア7割
“世代交代”で受注増

 国内で基地局建設の工事を手掛ける通信工事会社の最大手はコムシスホールディングス(HD)。これに続く協和エクシオ、ミライト・HDの3社単体の合計で、7割超のシェアを占める。加えて、大手3社は関東圏以外を地盤とする地方の通信工事会社を統合してきた経緯がある。5Gの基地局工事は大手3社が市場を握る、事実上の寡占状態なのだ。

 3社の業績はまた、大手通信キャリアの設備投資次第という側面が大きい。下図は、通信キャリアの設備投資額と、通信工事2社の受注高の推移である。


拡大する

 2007~08年3月期は携帯番号移行制度(MNP)が始まった時期だ。通信キャリアは料金プランだけではなく、つながりやすさなど通話品質の向上で、既存顧客のつなぎ留めや他社の顧客の奪取を狙った。

 つながりやすさは基地局の数に比例する。基地局増設需要の恩恵を受け、通信工事会社は高い受注高を記録した。

 その後、12年ごろからLTE(Long Term Evolution)による通信が本格化。スマートフォンの普及により動画の視聴が増えたことなどから、トラフィック対策として通信容量の拡大のための設備投資がなされた。

 そしてこれらが落ち着いた後は、今度は従来のLTEよりも容量が大きい「LTEアドバンス」のための投資で受注が増えたのだ。

 「通信工事会社の設備工事の受注の山は、通信の世代交代によってできる」(野村證券の前川健太郎シニアアナリスト)のである。

 従って、5Gへの投資が今後本格化し、各社の受注は再び増加に転じると前川シニアアナリストはみる。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

週刊ダイヤモンド 2019年11/9号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2019-11-05

この連載について

初回を読む
5G大戦

週刊ダイヤモンド

次世代の通信インフラの基盤となる、第5世代通信規格「5G」のサービスがついに日本で始まった。あらゆる産業を激変させる可能性を秘める5G。その主役の座を狙って企業は激しく火花を散らしている。5Gはビジネスをどう変えるのか。企業の取り組み...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード