※ 『週刊ダイヤモンド』2019年11月9日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)
接近するクルマがクラクションを鳴らす。しかし、歩行者には聴覚障害があり、聞こえない。そのとき、着用しているゴーグルに「車両接近!」と表示され、危うく難を逃れることができた──。
10月23日、ドコモとサン電子が岐阜県中津川市で実施した実証試験。VR(仮想現実)端末を使い、“音を視覚化”することで聴覚障害者の生活支援を目指す。
歩行者はゴーグルと周囲の音を拾うマイクを装着。音のデータは5Gを介して解析用のサーバーに送られ、その解析結果は文字は映像情報となって、瞬時にゴーグルへと送られる。
音声認識や画像処理は、負荷が大きい作業だ。端末側で処理しようとすると、どうしてもハードが大きく、使いづらくなってしまう。4Gでは通信できるデータ量や遅延の限界があり、高精細なVR画像をリアルタイムで表示することは困難だった。しかし、5GによってVRの可能性が広がり、一躍脚光を浴びている。
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