※ 『週刊ダイヤモンド』2019年11月9日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)
「次はどうすればいいですか」
「このダイヤルを回して」
ベテランの整備士がタッチペンでモニターに線を描くと、現場にいる若手整備士の画面に、機器のどこを操作すればいいかが即座に反映される──。
これは日本航空(JAL)とKDDIが取り組む、5Gを活用して遠隔整備を支援する実証実験の光景だ。部品の細部まで確認し、リアルタイムで支援するためには5Gが欠かせない。ベテラン整備士の数が限られる地方空港でトラブルが起きた際に、羽田空港の整備士と連携して対処するなどの活用法を想定しているという。
JALとKDDIの5Gを活用した遠隔整備の実験。ベテラン整備士の指示が直感的に伝わる。Photo by H.O.
高速大容量、低遅延という5Gの利点がフルに発揮できる活用例が、遠隔操作だ。とりわけ積極的な取り組みが進むのは建設機械の遠隔操作である。
ドコモはコマツと、KDDIは大林組と、ソフトバンクは大成建設と、それぞれ手を組み実証実験を推進。5Gを活用するアイデアが浮かばないという悩みとは無縁で、通信キャリア3社が火花を散らす珍しい分野でもある。
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