※ 『週刊ダイヤモンド』2019年11月9日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)
デジタル技術を駆使して製造業の革新を目指す「インダストリー4.0」を提唱したドイツ。5Gを工場に導入する動きが今、急ピッチで進んでいる。
ドイツ南部、ジンデルフィンゲンに広がる独自動車大手メルセデス・ベンツの主力工場。そこに、「ファクトリー56」と名付けられた新工場が2020年に稼働予定だ。
メルセデス・ベンツの新工場ファクトリー56のイメージ図。機械をつなぐケーブルがない。画像提供:メルセデス・ベンツ
この新工場では、全ての製造システムやロボットを5Gで接続して運用する。約2万平方メートルに及ぶ施設の5Gネットワーク構築はスウェーデンの通信機器大手エリクソンが担当し、組み立てラインのデータ連携や製品の追跡のほか、需要に応じたラインの配置変更も簡単になる。
他にも、独自動車部品大手ボッシュは、フィンランドの通信機器大手ノキアと5Gで産業用ロボットを制御する実験を重ねている。
ボッシュのコミュニケーション・ネットワーク技術責任者で、製造業向けの5G導入を推進する業界団体「5G-ACIA」会長のアンドレアス・ミュラー氏は、「5Gは未来の工場の中枢神経になる可能性を秘めている」と語る。
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