※ 『週刊ダイヤモンド』2019年11月9日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)
「5Gを使って何ができるのか。こうした問い合わせが、4月から9月までに330件来ている」──。
こう打ち明けるのは、富士通戦略企画本部5G/ICTビジネス推進室の岡部健一室長だ。岡部室長によれば、問い合わせの約4分の1は製造業。ただ、電力などインフラ系企業からの質問は具体的だが、全体の傾向として、あいまいな内容も多いのだという。
高速大容量、低遅延、同時多接続が5Gの三大特徴だと知っていても、ビジネスに生かすとなると途端にハードルが上がる。2時間の映画を3秒でダウンロードできるといわれても、自社ビジネスと関連付けることは容易ではない。「『5Gで何かやれ』と上から指示されて困っている」という声も取材の過程で何度か聞いた。
そこで本誌は、5Gを有効活用するためのヒントを5カ条にまとめた。これを参考にして、目前に迫る5G時代に備えてほしい。
人の目を“機械の目”に
5Gを活用することで、酪農の現場が変わるかもしれない──。2019年11月、総務省による農業分野で5Gの特徴を生かしたサービスの実証試験が始まる。
現場となるのは北海道上士幌町のとかち村上牧場。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)やKDDIなどが参加する予定だ。
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大部屋で牛を飼育するとかち村上牧場の牛舎。5Gの活用で牛を探す手間を省くことが狙いだ。写真提供:ATR