※ 『週刊ダイヤモンド』2019年11月9日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)
守り切れ。あと少し。あと少し。80分を告げるブザーが鳴る。ボールが蹴り出され、歓喜の瞬間が訪れた。
10月13日、横浜国際総合競技場で行われたラグビーワールドカップ(W杯)の日本対スコットランド戦。日本は28対21で勝利を収め、ラグビーW杯初の決勝トーナメント進出を決める、歴史的な一戦となった。
日本中を熱狂させたスコットランド戦。この試合の迫力や熱気を損なうことなくスタジアム外へと届けるべく、NTTドコモが実施したのは5Gを活用したパブリックビューイングである。
パブリックビューイングの会場となったのは東京・汐留のイベントホールだ。会場には400インチの巨大スクリーンが設置され、サブスクリーンが左右に並ぶ。
競技場には8台の4Kカメラが設置され、選手のアップやフィールドの俯瞰といったさまざまな映像をサブスクリーンに表示する。
今回、競技場内では一部5Gを使って送信したものの、競技場から会場までは既存の光ファイバー回線を活用した。
ただ、大容量の映像を送信できる5Gを活用すれば、カメラのケーブルなどの都合で今回は実現しなかった映像を、将来は楽しめることになるだろう。例えば、選手の体などにカメラを付けて5Gで映像を送信すれば、選手と同じ視点で大迫力の映像をリアルタイムで味わえる。
実際、2018年の平昌五輪では、韓国通信キャリア大手のKTが、ボブスレーのそりの先端に取り付けたカメラの映像を、5G中継する実験に成功。時速140キロメートルで駆け抜けていく選手の視点での映像は、競技の迫力を伝えるのにぴったりだ。
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