「何のために生きているか」を自覚する人は一流
「何のために生まれてきたのか」
これは人がよりよい人間性を獲得するための、究極の問いかけの言葉である。人が生まれてきたことには必ず意味がある。その意味を自覚しているかどうかで、仕事や日常での振る舞いはまったく違うものになる。「何のために生きているか」を自覚する人は、どんな仕事をしても一流にたどりつく可能性がある。
私も監督をしていたとき、ミーティングなどで選手たちに問いかけることがあった。
「人間は、何のために生まれてくると思うか?」
そう問われたとき、絶句する選手がほとんどだった。無理もない。「野球とは何か」すら考えたことのない選手がほとんどなのだから、ましてや自分が生まれたことの意味を自問した経験などないだろう。
ただ、私のミーティングをきっかけに、自らに問い、考える選手が生まれればそれでいいと思っていた。なぜなら、人としてどう生きるかを考える経験は、野球にもプラスに働くはずだからだ。
かく言う私自身、「何のために生まれてきたのか」について絶対的な正解を持っていたわけではない。日々自問自答しながら、考え続けてきた。
選手から「監督はどう思われるのですか?」と聞かれたときは、こう答えたように思う。