成功も失敗も振り返らないほうが楽しい
たとえば失敗をしたときでも、過去を振り返って傾向と対策を練れる人はいいのですが、特に日本では、「過去を振り返る=イヤなことを思い出してストレスを溜める」というループに陥っている人が多いんじゃないかと思います。
寝るときに1日を振り返る人もいるようですが、僕には、ちょっとよくわからない習慣です。いつも寝落ちするまで何かしているというのもあるし、そもそも過去を振り返るということがありません。
どこかに閉じ込められたりしたら、過去のことも考えるかもしれませんが、毎日忙しいから、基本的に過去を振り返っているヒマなんてないのです。
過去の失敗も、あまり振り返りません。
それ以前に、まず失敗をあまり失敗と思っていないところさえあります。
そう言えば、昔、友人が瓶ビールの栓を歯で開けているのを見て、これは便利だなと思って自分でやってみたら歯が欠けてしまったことがあります。欠けてしまった歯は元には戻らない。このときばかりは大失敗したと思いましたね。
でも基本的には、うまくいかなかったら、うまくいく方法を別に考えればいいし、誰かに話を持ちかけて断られたときなんかでも、別のアプローチ法を試みるか、別の人に話を持っていけばいい。
そう考えるほうなので、僕にとって、うまくいかないことは失敗じゃないのです。
もしタイムマシーンで過去に戻れたとしても、僕はきっと、また同じことをするだろうと思います。で、同じ結果になるだろうから、「じゃ、しょうがないよね」としか考えようがない。
それに、基本的に今が楽しいので、普通は失敗と捉えるようなことも、「きっと今の楽しい状況を生み出すための布石だったんだ」と考えるほうなのです。
たとえば、詐欺に遭った経験があると、その後は簡単には騙されなくなりますよね。
その中で、騙された経験を延々と悔やんでいるだけなのか、「あそこで騙されたおかげで、もっと大きな詐欺に引っかからずにすんでいる。だとすると、あのときの被害額も、今考えればカスリ傷だ」と思えるか。
僕は、完全に後者のタイプというわけです。
過去を振り返らないといえば、失敗だけでなく、成功も振り返りません。
なぜなら、成功した記憶は気持ちよくても、そこに新しい情報はないから。
だったら、新しい映画を観たり本を読んだり、新しい事業を考えたりと、別のことを楽しんだほうがいいと思っているのです。
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