悩みごとの99%は、どうにもならない
自分の力では、どうにもならないことで悩むのも、時間の浪費とストレスにしかなりませんね。だって、悩んだところで、どうにもならないんですから。
にもかかわらず、「どうしよう」とか「どうにかしてやろう」なんて葛藤している人も、けっこう多いんじゃないかと思います。
たとえば、他人を変えようとする人。正義感の強い人ほど、自分の常識と食い違うことをする人を「改心させよう」と頑張ったりしますが、だいたいは徒労に終わります。自分だけがストレスを抱え込んで、大損こくわけです。
日本とフランスを行き来していると、あちらの常識がこちらの非常識だとか、逆にこちらの常識があちらの非常識ということにたくさん遭遇します。
それもあってか、僕は「えっ、おかしいじゃん」と思うような状況でも、ひと呼吸置いて考えることがクセのようになっています。
そうしているうちに、日本人のおかしな行動を見ても「へえ、こういうところも違うんだな」と思うだけで、あまり腹が立たなくなりました。
よく言われることですが、他人を変えることなんて、そう簡単にはできませんよ。
人には主観というものがあるのだから、感覚も常識も何もかも違って当たり前だし、そこに正解や不正解はありません。
ということは、本質的に説得は不可能です。そこでストレスを溜め込むよりも、一歩引いて相手を眺めて、「へえ、こういう人もいるんだな……」「もう勝手にしてくれ、知ったこっちゃないわ!」と捉えたほうがラクなのです。
まあ、仕事面や金銭面で実害を被る可能性がある場合は、別の対処法を考えなくてはいけませんが。
自分の力では、どうにもならないことで悩む人。もっと壮大なところで言うと、国や世界のことを憂える人もいます。
でも、そんなことより自分自身の心配をしたほうが、ずっと健康的だし建設的です。
こう言うと、「自分のことしか考えないのはよくない」なんて思うかもしれませんが、それの何がいけないのかと思いますね。