鍛錬すると目標は実現できるのか?
時間の使い方というと、「忙しい中で、いかに時間を捻出するか」みたいな話になりがちですが、ムダな時間を減らすだけで、自分のために使える時間は、けっこう増えるはずです。
日本では美徳とされがちな「自己鍛錬」とかも、僕は時間のムダなんじゃないかと思います。鍛錬を目標にして、やみくもに努力するのって、どんな意味があるんですかね。もっと手っ取り早い方法を取ったほうがよくないですか。
たとえば本当に英語が話せるようになりたいのだったら、日本で文法書を読むより、英会話教室に通うより、英語圏で暮らしてしまうのが一番早いに決まっています。
プログラミングでも、入門書を最初から読む人ほど、一向にできるようにならない。それよりかは、「こういうゲームを作りたい」っていう目標があって、それに必要なスキルから学んでいく人のほうが、ずっと上達が早いのです。
コツコツと鍛錬を積むよりも、最初に体験してみたほうがもの覚えはよくなるし、続きやすいというのが人間の習性です。
いろんな事情があるとか、時間もないからとか言って鍛錬に逃げていても時間はどんどん経っていきますからね。まあ、鍛錬を楽しんで人生が過ぎていくのも、それはそれで充実した時間の過ごし方なのかもしれませんが。
資格試験に手っ取り早く合格する「スピード勉強法」とは?
資格の勉強なども同じです。
教科書を1ページ目から読むなんて人もいるかもしれませんが、まず過去問を解いてみて、解けなかったところを勉強したほうが手っ取り早いでしょうね。
資格は、つきたい仕事につくための手段です。目的は「試験に受かって、資格を手に入れること」であって、「教科書に書かれていることを隅々まで覚えること」ではありません。
だから「いかに時間と手間を省いて試験に受かるか」を考えることが必要だと思います(まあ、資格マニアの人たちは考え方が逆なのかもしれませんが)。
7、8年前に僕は「旅行業務取扱管理者」の資格を取ったのですが、そのときも、まず過去問を解いてみました。
友人から、この資格があると旅行代理店を経営できて、タダで海外旅行に行けるようになると聞いて、「マジで! 取るしかないじゃん」みたいな軽い気持ちで取ろうと思ったのです。
試験は英語の他に、国内外の観光事情や切符のとり方、旅費の算出みたいな、実務面の知識で構成されています。過去問を解いてみたら、国内の観光事情は覚えることが多すぎて大変そうでした。
一方、英語は基礎力があれば大丈夫そうで、海外の観光知識は一般常識でだいたい解ける印象でした。
だから、国内の観光事情は60点ぐらい取れればいいと見切って、英語と海外観光事情は大して勉強しなくてもイケるだろうと踏みました。
となると、まず勉強しなくてはいけないのは、旅費の算出です。
これは一見すると複雑に見えますが、電車賃とホテル代に保険料を何%かける、みたいな計算式さえ覚えてしまえば、絶対に解けます。過去問を4冊買って、計算のところだけをひたすら解きました。
そんなこんなで、教科書を最初から読むなんてことはせずに案外ラクに合格できました。
ただし、これには後日談があります。