「好きを仕事に」は万能のスローガンじゃない
自分に向いた仕事をしている人や自分の好きなことを仕事にしている人は、ひと昔前よりずっと増えているのでしょうが、やっぱり絶対数的には、まだ圧倒的に少ないと思います。
僕だって、今の仕事は趣味の延長ですが、今の仕事が一番向いているのかと言われたら、それはわかりません。
たとえば、プログラミングはパズルと一緒で必ず「正解」があります。やり方さえ間違えなければ絶対に動く。そういう点で、正解がないことも多い営業職とかよりは僕の性に合っているとは思います。
でも、今まで経験したことがないことをやってみたら、今の仕事より、もっと向いていると感じる可能性もゼロではないのです。
それに、好きなことを仕事にしようと決めた途端に、いきなり挫折してしまう場合なんかもあると知っておいたほうがいいと思います。
以前、食べることが好きな友人が、飲食店をやりたいと言って、いろいろと調べていたことがあります。ところが、食べることが好きなだけに、食材にこだわりすぎて原価率が大変なことになってしまい、結局、やめることにしたみたいです。
こう言ってはなんですが、「それなりに好き」くらいの人が、原価率を抑えた「それなりにおいしいもの」を出せたほうが儲けもきちんと出るし、成功しやすいのではないでしょうか。
僕も、ゲーム好きだから向いているかと思って、ゲーム会社で働いたことがあります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。