HSPやHSCは「敏感力」の人たち
実際、多少は悪いものに影響されてしまうところがあるにしても、考え方や気持ちを切り替えるコツを身につけ、自分の中のいい面に着目してそれを才能として伸ばしていくことのできる人たちが出てきています。 アーロン博士も、HSPはネガティブなところを吸収しやすいだけでなく、ポジティブなところもすごく吸収しやすいのだということを、盛んに言っています。
さまざまな調査で、不幸な子ども時代を送ったHSPは、同じく不幸な子ども時代を送った非HSPに比べ、落ち込み、不安、内向的になりやすい傾向がありました。でも、じゅうぶんによい子ども時代を送ったHSCは、非HSCと同様、いやそれ以上に幸せに生活しているのです。HSCはそうでない子よりも、よい子育てや指導から多くのものを得ることができるということです。 (『ひといちばい敏感な子』)
そして、「良質の子育てを受けるなど、よい環境に置かれた場合には、他の子よりもプラスに作用します」「敏感な子は、そうでない子に比べて悪い環境を吸収するだけではなく、よい環境も人一倍吸収するのです」といって、HSCのよい成長のために、いかに環境因子が強く働くかということを強調しています。 さらに、近年の研究では、HSC、HSPのこうしたポジティブな側面を「敏感力(バンテージ・センシティビティ)」と呼ぶようになっているということも紹介しています。