​「できるはずない」を覆した人たち──ハンディの裏の才能

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

「できるはずない」を覆した人たち──ハンディの裏の才能

 東田直樹さんは、いまや、著書『自閉症の僕が飛びはねる理由』が世界中で翻訳されて読まれる大ベストセラー作家となりました。
 最初のころは、自閉スペクトラム症で会話のできない子が、こんな文章を書けるわけがない、と多くの人が思っていたことでしょう。あれはまさしく療育の成果と言っていいと思いますが、小さいころから五十音のボードを指して筆談をする訓練を積んでいたことで、タイピングが可能になったのです。
 「障がいとは凸凹だ」という話をしましたが、たしかに東田さんには普通の人のようにはできないところもいろいろあります。一方で、人には常識では測れない能力というのがあるということを示してくれた好例です。
 脳障がいを抱えた日木流奈さんも、ほとんど話すことはできませんが、とても心を打つ文章を小さいときから書いてきました。重度の脳障がいがあったらそんなことはできるわけがないと思うかもしれませんが、流奈さんの中にははっきりと自分が世の中に伝えたい思いがあり、文章化できるのです。
 その能力を発揮するためには、特別な訓練方法が必要になり、サポートする人を必要としましたが、親や本人や関係者たちが努力を続けた結果、才能を花開かせることができたのです。
 障がいの質はそれぞれ違いますが、ピアニストの辻井伸行さんにしても、書家の金澤翔子さんにしても、普通なら「できるはずない」と思ってしまうようなハンディを乗り越えて才能を開花させています。
 人間の潜在的能力というのは、すごいものなのですが、それを顕在化させ、才能として開花させるには、本人はもちろん、周囲の人の多くの努力と協力が必要となります。天才は一夜にして作られず、人知れぬたゆまぬ努力の結果なのです。

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

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__comfort__ 「できるはずない」を覆した人たち──ハンディの裏の才能|長沼 睦雄| 8ヶ月前 replyretweetfavorite