ビジネスの特徴を明確に打ち出すコツ

ビジネスモデル2.0図鑑』著者の近藤哲朗さんと、図解総研所属の沖山誠さんに、ビジネスモデル図解の作りかたを教えていただくこの連載。第6回目は、ビジネスモデル図解の応用編として、事業の特徴をはっきりと表現するための上級者向けのテクニックを紹介します。

ビジネスモデル図解を作るにあたり、何を主体にするかでクオリティは大きく変わってくる。何度も言うようだが、特に重要なのは中央の横列、つまり「事業」に何を配置するか。それによって、そのビジネスモデルの特徴が表現されるからだ。

これまでWho・What・Howにわけて考える方法などを説明してきた。これで一定のレベルで図解を作成できると思う。しかし、僕たちが目指すのは「その事業の斬新さや特徴がはっきりと表現されている図解」だ。

今回と次回は、ビジネスモデル図解の応用編として、事業の特徴をはっきりと表現するための上級者向けのテクニックを紹介する。

1.4つの経営資源を軸に考える

ビジネスモデル図解では、何を誰に伝えるかという目的を意識することが大事だ。その事業の固有の価値は何か、なぜその事業が優れているのかなど、図解を通して伝えたいことを明確にする必要がある。

しかし、そもそもその事業で伝えるべきことが何なのか整理がつかず、迷ってしまう場合もあるかもしれない。そんなときには、経営資源を起点にして事業の特徴を考えるとよい。経営資源は、ヒト、モノ、カネ、情報、という4つにカテゴライズできる。

①モノ:新たな「コアバリュー」を提供する
これまで見過ごされていた価値を時代背景の変化により「本質的な価値」として再定義した事例

②カネ:新たな「お金の流れ」を作る
これまでお金にならなかった領域や、お金の流れが滞っていた領域の事例

③情報:新たな「テクノロジー」を使う
実現が難しかった領域を、情報技術やデータ活用により突破している事例

④ヒト:新たな「ステークホルダー」を巻き込む
これまでつながりを持たなかった企業や団体を効果的に巻き込んだ事例

自分が図解をしようと思う事業は、この4つのカテゴリーのうち、どこを強調して説明できるものなのか。それを軸に考えてみると、事業の特徴がおのずと見えてくるだろう。

そして実は、このカテゴリーは「どのような価値をもたらしたか」によって、さらに細分化することができる。たとえば「④ヒト」は、リソース系、社会課題系、マッチング系の3つのビジネスモデルに分類できる。

それぞれ、具体的な事例をもとに解説していこう。

2.各経営資源が生み出す価値

各経営資源が生み出す価値は、以下のA〜Dの4つのモデルに細分化することができる。

A.「モノ」に特徴を持つビジネスモデル

たとえば、時空系の事例としては、「ecbo cloak(エクボクローク)」という事例があげられる。

「ecbo cloak」は、カフェやショップなどの空きスペースを利用して、荷物を確実に預けることができるサービスだ。荷物を預けたい人は、預ける場所を探して予約をするだけ。決済もクレジットカードで事前に済ませることができる。

このサービスにより、これまで遊休資産となっていた店舗の空きスペースを荷物を置く場所として貸し出すことで、店舗側もそこから収益を生み出すことが可能となった。さらに、「ecbo cloak」のユーザーはついでにお店を利用してくれるため、一石二鳥のサービスである。

この事例では、従来は使われていなかった空間(このケースの場合は店舗)をシェアすることによって、新たな価値を生み出していることを説明したいため、店舗と空きスペースを配置している。

B.「カネ」に特徴を持つビジネスモデル
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ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた

沖山誠 /近藤哲朗

100のビジネスモデルを3×3のフォーマットで図解し、7万部を超えるベストセラーとなった『ビジネスモデル2.0図鑑』。自社や取引先のビジネスモデルを自分で図解できるようになれば、課題を発見したり、新たなビジネスチャンスをつかみやすくな...もっと読む

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