何を」提供するビジネスなのかを考える

ビジネスモデル2.0図鑑』著者の近藤哲朗さんと、図解総研所属の沖山誠さんに、ビジネスモデル図解の作りかたを教えていただくこの連載。第2回目は全体像を見つつ、図解の中央段の「事業」に何を配置すればいいかをメインに解説していきます。

1.ビジネスモデル図解の7ステップ

第1回で、ビジネスモデル図解がどのようなルールと前提によって成り立っているかは理解してもらえたと思う。ここからは、ビジネスモデル図解を実際に作っていくための具体的なステップについて説明していこう。

ビジネスモデル図解を作っていく際の手順として、図解をよむ7ステップというのがある。

(1)まずは中央の縦列をみる

①だれに?:その事業は誰のために行われているのか?
②なにを?:何がその事業として行われるのか?
③だれが?:誰がその事業を行っているのか?

(2)つぎに中央の横列をみる

④なにが重要?:その事業を特徴づける重要な関係者・モノはなにか?

(3)そして四隅をみる

⑤だれが関係?:提携している企業や、重要な関係会社はあるか?
⑥だれが関係?:利用者の他に関係している重要な人物、会社は存在するか?

(4)さらに矢印(や補足)をみる

⑦どんな流れがある?:モノ・カネ・情報の流れがどうなっているか?

今回は、(1)〜(2)について、解説していく。順番にみていこう。

(1)まずは中央の縦列をみる

第1回で述べた通り、ビジネスにおいて、利用者、事業、事業者という3段構成はぜったいに存在する。この縦列で表現しているのは、利用者と事業者が、事業によってどうつながるか? ということだ。

どのようにサービスを提供しているのか、利用者がどのようなお金の払い方をしているのか、といったことが、この縦で表現される。場合によってはサービスや事業ではなく、製品そのものが入ることもある。

ここについては、テーマの企業が決まった段階で、誰でもすぐに埋められると思う。

(2)つぎに中央の横列をみる

ここが、ビジネスモデル図解において、一番重要なポイントである。
この横列によって、そのビジネスモデル図解で一番表現したいことを説明するからだ。

たとえば、「俺のフレンチ」で見てみよう。「俺のフレンチ」で伝えたいことは、そのビジネスの革新性(≒逆説の構造をいかに成り立たせているか)だ。

これまで、一流フレンチというのは、座って食べる高価な料理だった。高いお金を払い、コース料理などで落ち着いて食事をするイメージがあるだろう。
しかし、俺のフレンチは、そのイメージと全く正反対なことをした。つまり、立って食べる手頃な料理、というスタイルでフレンチ料理を提供している。

フレンチを安価で提供する。普通に考えると、それだと利益率が下がり、経済合理性が下がるはずだ。

しかし、立ち食いにして通常の3倍の回転率にしたことで、安価でも成立する料金設定にしたのだ。

さらに、シェフについても、好きな食材を好きなだけ使っていい、という謳い文句で一流のシェフを引き抜いている。そのため、料理の品質は保たれつつも、安価でフレンチを提供できている。

上記のような特徴を表現するために、ユニークな主体は何か? ということを意識して、左右には立ち食いテーブルと、フレンチ料理を配置している。

2.左右の主体を考えるポイント

実践してみるとわかると思うが、主体を考えるのは意外に難しい。特に難しいという声を耳にするのは、④のステップ、つまり中央の横列についてである。

この部分について、そこに配置されるべきは「そのビジネスを特徴づける関係者・モノ」という説明をしてきた。

しかし、これではかなり自由度が高くて、「何をもって重要なのか?」という点で制約が何もないがゆえに、逆に図解を作成する際に一番悩むポイントとなってしまっていた。

そこで、今の3×3のルールに対して、より具体的なルールを設けることにした。それをこれから説明していこう。

(1)4象限にわけて考える
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ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた

沖山誠 /近藤哲朗

100のビジネスモデルを3×3のフォーマットで図解し、7万部を超えるベストセラーとなった『ビジネスモデル2.0図鑑』。自社や取引先のビジネスモデルを自分で図解できるようになれば、課題を発見したり、新たなビジネスチャンスをつかみやすくな...もっと読む

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