夢のような香り豊かなレシピをご家庭で「春キャベツとあさりのミルクレモン蒸し」

今週の「ポルトガル食堂」も、子どもも大人も喜ぶレシピシリーズをお届けします。豊かな香りとふんだんに盛り込まれたうま味の名作レシピ、ぜひお試しください。
現在cakesでは馬田草織さんの連載を含め、400以上のレシピを無料公開中です。自宅にいる時間が長くなる毎日に、ぜひおためしください!

cakes読者のみなさま、こんにちは。

老若男女、世界中でマイルド缶詰状態が続いてます。仕事場も兼ねている我が家には、元気満タン、行くとこナッシングな小学生が1名、常に待機してます。うちもうちも、そんな声が聞こえてきます。お互いに踏ん張りどきですな。これを乗り越えたら、晴れてワイワイ飲みに行こうじゃないですか!

休校要請のあの日以来、取材で外に出る日以外は朝昼晩食事を作るのが日常になりました。ずっと家にいるとキッチンも近くなる。冷蔵庫の状況も、メイクポーチの中身並みにビビッドに意識できるようになってきました。あと少しでアイライン買い替え、みたいな感じで、あと少しで生姜終わるな、みたいな。死にそうな野菜、激減です。身元不明の冷凍素材、対処しました。ついでに中も拭いたりして。いま現在、冷蔵庫内の視界はかなり良好。これはいいこと。

とはいえ、家での仕事はサクサク進みません。原稿書いてると、突然子どもに「ねえこれ笑えるんですけど」と流行りの漫画(鬼滅の刃、キメツノヤイバと読みます、念のため)のネタを持ち掛けられます。しかも何度も。あのー、お母さんは友達じゃないんですけど。きっぱりと無視もできず、おー、とか、へー、とか言って流すことに罪悪感を感じなくなってきました。頼む、早く学校はじまってくれい。

話を料理に戻します。この状況だと、環境は違えど必要に迫られて自炊にチャレンジしている人も多いはず。これ、決して損な経験じゃない。や、むしろいい機会だと思います。買って済ませず、作って食べることの大変さと面白さを実感するのも、生きものとしては悪くない。

料理できなくったって、コンビニがあるから別に大丈夫。そんなセリフはいまどき珍しくないんだろうけど、んなわけない。食事って、そもそも釣ってきた魚や仕留めた獣肉を焼いたりするところから始まっているわけで、もともと自分でなんとかするもの。昔からコンビニに売ってたもんじゃない。そういうことに気が付けると、この状況も意義がある。料理は趣味や喜び以前に、人間がひとりで生きていく術だから。結構マジです。

格段に便利になった現代の調理道具で、野菜茹でたり肉焼いたり、米炊いたりできるようになることは、生きものとして逞しくなるということ。で、その料理をさらに自分の好きな味にできるようになれば、それは仕方なくすることの範疇を超え、自分の喜びになる。誰のコメントにもいいねにも左右されない、自分自身が実感できる確かな喜びです。だから、料理はできた方が人生豊かになる。そう思います。

特殊な環境で内省する時間が増えたせいか、思いがけず話が長くなりましたが、3月のポルトガル食堂は特別編、子ども喜ぶシリーズ。もちろん、大人が喜びつつ子どもも喜ぶ味ですので、ちゃんとおつまみ対応しています。

今回は春を蒸します。ふんわりやわらかい歯触り、やさしい甘みの春キャベツと、身がふっくらしたあさりを軽く蒸し、ミルクの風味とレモンの酸味で仕上げます。新キャベツの甘味とあさりのコハク酸だけでも十分いいだしですが、もしスーパーでマッシュルームを見つけたらせひ加えて欲しい。マッシュルームのグルタミン酸も加わると、おおと思わずつぶやきたくなるような、深いうまみのスープができます。このままいただくのはもちろん、パスタにしてもいい。あるいはご飯にかけたり、ご飯を加えて軽く煮て、リゾット風もありです。とにかくこれは、スープがごちそう。

今回のレシピも、広尾のビストロ「Yoshida house」の吉田佑真シェフに教わったものがヒントです。吉田シェフのレシピはあさりではなくはまぐりを使い、牛乳ではなく生クリーム、さらに香りづけにヴェルモットやフレッシュハーブ類もプラスされて、香りが夢のように豊か。ちょうど今、旬のおすすめとしてオンメニューしている頃ですから、外出自粛が解禁になったらぜひ食べて欲しい。のけぞります。吉田シェフの本格レシピは、最近はじめた(といってもまだ1本しか書いてないけど)noteで詳しくご紹介しようと思います。

ご紹介する簡単アレンジでは、生クリームの代わりに牛乳を使いました。マイルドにまとめつつ、仕上げにレモンを絞って酸味を加えます。これ、大事なアクセント。あと引く味になります。

では、パパッと作っていきましょう。

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「春キャベツとあさりのミルクレモン蒸し」

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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コメント

takanorim_ 作ってみたら春爛漫な味で白ワインがあっという間になくなった… 3ヶ月前 replyretweetfavorite

saoribada 春を蒸す、そんなイメージの一皿です。 3ヶ月前 replyretweetfavorite