ウリウリ」を知ってるの?

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は阿川佐和子さんの「思わず恋してしまいそうになる文章」について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

阿川佐和子の声掛け

私のほうも見てる! ってそんなわけないか。


距離の近い文章、ってありますよね。

なぜか文章越しにニコニコ笑う顔が見えるような。
なんとなく視線がぱちっと合ったような、なんか親近感覚える、いい感じだな〜もっと読みたいな〜って、読み手の私までニヤニヤしてしまう。
でも不思議。文章の親近感って、一体なんなんでしょう?

テーマの身近さ。選ぶ言葉のわかりやすさ。うん、それもある。
でも私は、それ以上に効果的な振る舞いがあると知りました。

阿川佐和子さんという「親近感の権化」とも言える大人気エッセイストは、なんと文章を書きながら、ときどき、唐突に、読み手の方を向いて声を発するんです。
(いやいや、文章なんていうものは、いつでも読み手の方を向いてるじゃないか)と突っ込まれそうですが、違うんです。少しニュアンスが。



文章の中で阿川佐和子さんは「ウリウリ」について語っています。

どちらかというと書き手がひとりで喋っているような文章ですね。
読み手は書き手のひとりごとを聞いている。だけど次の箇所で、いきなり空気が変わります。
書き手はぐるんと首をまわして、読み手のほうに向き直るのです。


〈「目がまくまくする」と言って驚かれたこともある。使いませんか? 目ってときどきまくまくするでしょう。〉

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文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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