俵万智の合図力
気づかなかったけど、目に飛び込んでいたのか…。
文章とは、音で“よむ”ものであると同時に、目で“みる”ものでもある。
とか言ってしまうと難しそうに聞こえるんですが、でもほんと視覚的に「読みやすい」のって大切なんですよね。
たとえば1980年代に一世を風靡した『サラダ記念日』に収録された、歌人の俵万智さんによる有名な短歌です。当時生まれていなかった私でも「よめさんになれよだなんて…」と思わず口ずさみたくなるような、素敵な短歌。
短歌といえば、なんでしょう。
そうです。5・7・5・7・7の定型リズムに当てはめる詩。
だからこそ、声に出した時の「音」が重要な要素であるように見えます。
でも俵万智さんの短歌のすごいとこって、そこだけではなくて、「視覚的」な読みやすさだと私は思うんです。