どんどん健康志向になる社会
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
僕、バーに関する本を書いているので、しょっちゅうお店に「バーをやってみたいんですけど」っていう若者が来店するんですね。でも、必ず僕、「バーだけはやめた方が良い。これから全世界的にお酒離れが進むから、20年後、30年後に、お酒専門のお店ってすごく難しくなってると思う」って伝えます。
いやほんと、例えば煙草ですが、こんなに世界で煙草が嫌われることになるなんて、まさか30年前はだれも思ってなかったんです。50年くらい前の日本の都会の交差点の映像を見ると、ほとんどの男性がくわえ煙草を吸っていて、全員がそのまま道路にポイ捨てしていてびっくりしました。そしてその煙草の末路のように、今のお酒もなってしまう可能性ってじゅうぶんあると思います。
飲食や嗜好品って流行があるのですが、ここ最近はずっと健康、自然志向なんですね。わかりやすいところですと、昔カクテルは赤や青や黄色の人工着色を使ったリキュールが主流だったんですね。それが90年代くらいから生のミントやライムを使った「モヒート」や、ミクソロジーという自然由来の流れに変わりました。
ここ最近ずっと流行の、ビオワイン、クラフトビール、サードウエーブコーヒー、クラフトジン、ビーン・トゥ・バー・チョコレートといったものも、要するに「植物本来の味わいを大切に」というコンセプトですよね。
そして健康志向と言えば、ダイエットです。「食はダイエットの流れを押さえておけば良い」と言われるほど、「今、世間では何が太ると思われているか」っていうのに流行は左右されます。昔は「コレステロールをカット」っていう言葉が売りだったのに、今は「糖質をカット」が売りですよね。まあとにかく「健康志向」が飲食の流行なんです。
なぜみんなお酒を飲まなくなってきたのか
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