技術」ではなく「理」を使ってチームを成功に導く指導法のコツ

野球は技術だけでは勝てない。「理」が必要だ。野村のこの信念がチームを勝利に導いた。指導者であるあなたが持つべき「理」とはなにか? 『野村の教え方 すべての指導者に贈る最後のメッセージ』から、日本プロ野球“最高の教師”の野村克也が指導法の神髄を語る。★毎週木曜日更新★

三冠王の獲得につながった「理」の使い方

私は監督というものを、3つのタイプに分けている。

  • 「力で動かすタイプ」
  • 「理をもって動かすタイプ」
  • 「情で動かすタイプ」


力で動かすタイプの代表は、鶴岡さんや星野(仙一)らだろう。いわゆる「怖い指導者」であり、ときには鉄拳制裁をも辞さないという恐怖感をもって、チームに緊張感を与えることで選手たちを率いる

「情で動かす」タイプの代表は、三原脩さんだ。選手を褒めてのせるのがうまかったし、自宅や料亭に招いて酒席をともにする機会も多かったらしい。

「理をもって動かす」のは水原茂さんであり、私もこのタイプに属する。私は「理をもって動かす」を信条としている。何事も理にかなっているかどうかを常に考えている。

「理」とは知識や知恵、考え方を指す。戦術も試合運びも理がなければいけない。私は野球が技術だけで勝てるとは思っていない

野球は頭脳で競うスポーツだ。あの一球一球の合間は、次の行動に備えるため、考える時間として与えられたものである。相手が何を、どう考えているかを、相手の立場になって考えねばならない。

私自身、不器用な選手だったため、現役時代から人一倍頭を使うことに腐心してきた。駆け出しの頃は変化球に対応できず、バッターボックスで三振の山を築いていた。

「カーブの打てない のーむーら!」

と、お客さんに大合唱でヤジられていたくらいだった。誰に聞いても、変化球の打ち方について納得のいく答えなど教えてもらえなかった。

「ボールをよう見て、スコーンと打てばいいんだよ」

そんなアドバイスで打てるくらいなら誰も苦労しない。

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日本プロ野球“最高の教師”の野村克也が「教え方」の神髄を語る

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野村の教え方 すべての指導者に贈る最後のメッセージ

野村克也

古田敦也、新庄剛志、宮本慎也、稲葉篤紀、田中将大——。球史に残る名選手を次々に育て上げた名将・野村克也。日本のプロ野球“最高の教師”が「教え方」の神髄を語る。プロ野球ファンはもちろん、スポーツインストラクター、学校の教師、会社のマネジ...もっと読む

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