新世代1億円プレイヤーは名刺を持たなくても困らない
新世代1億円プレーヤーの中には、名刺を持たない人が増えている。初対面でも名刺交換せず、簡単な自己紹介のみという場面によく遭遇するようになった。
ひとつの理由として、わざわざ名刺を交換しなくても、その場ですぐにSNSでつながればいいという発想があるのではないか、と感じる。実際、名刺入れの代わりにスマホを取り出し、互いに招待・承認し合う光景はよく見られる。
SNSでつながっていれば、紙の名刺をスキャンしてデジタルデータに整理し直す必要がないし、履歴を見れば相手の情報がわかるから、共通の話題を探すこともできるのだ。
もちろん、仕事は仕事で分けたいのでプライベートの個人アカウントでは不都合があるとか、郵送物があるから住所の名簿化が必要だという人もいるとは思う。
また、初対面でいきなりSNS交換というのは、さすがに仕事の場では馴れ馴れしいと抵抗を感じる人もいるだろう。私も相手が自分より目上だったり、企業の一担当者という場合は、SNSではなく名刺を差し出す。
しかし名刺を持たない新世代1億円プレーヤーは、そういう細かいことは気にしないようだ。SNSでつながれない人とは仕事で絡む場面も少ないし、必要なら相手から連絡が来ると考えるのだろう。だから仮に名刺交換をしても、もらった名刺はすぐに捨てる。
一方で、旧世代1億円プレーヤーは名刺交換が主流だ。
それはSNSに馴染みがないという理由もあるが、そうした物理的儀式をなくしていきなり本題に入ることは、なんとなく相手に失礼という感覚がある。
実際、多くの企業では新人研修があり、社会人のマナーの一環として名刺交換のやり方を教わった人も少なくないと思う。
たとえば「目下のほうが先に名刺を差し出す」「相手の名刺よりも下の位置に差し出す」などの約束ごとがある。ほかにも「自分の名刺入れの上で受け取る」「両手で受け取る」などのバリエーションもある。
これは初対面の挨拶のマナーでもある。訪問する側がへりくだり、相手を持ち上げることによって、商談や打ち合わせをスムーズにしようというものだ。
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