非社交的、内向的な人間ほど収益を上げられる理由
旧世代1億円プレーヤーの多くは、外向的でエネルギッシュな人が多い。「カリスマ性」があると言い換えてもいいだろう。
私も旧世代の経営者を何人も知っているが、たいてい人懐っこくて、周囲を楽しませる話術に長けている。ホスピタリティーも高く、サービス精神旺盛。彼らがいると場が盛り上がる。
そういう人を見るにつけ、「外向的な人間のほうが成功しやすい」と一般には受け止められやすい。しかしそれは、「欧米型のコミュニケーションスタイルが浸透していた20世紀ならば」という条件付きだ。
その条件を過去のものにしたのが、産業構造の変化だ。
インターネット全盛になってくると、オンラインでのやりとりが主流になる。こうなると、外交的であるかどうかは差別化になりにくい。むしろ逆に「内向的な人間が活躍できる」環境になっている。
たとえばスマホアプリをイメージするとわかりやすいが、ヒットするかどうかは「面白いかどうか」「便利かどうか」といった点であり、制作者の人格とは関係ない。家から一歩も出ない非社交的な人間であっても、面白いアプリが作れれば収益を上げることができる。
漫画や小説も同じ。ごく一部の有名人を除いて、漫画家や作家がしゃべっているのを見たことがある人は少ないだろうし、顔さえ知らないという人のほうが多いのではないだろうか。
特にインターネットと親和性の高いクリエイティブの世界では、内向的な人ほど才能を発揮しやすい。
たとえばイラストやデザイン、文章、写真、作詞作曲、美術・工芸など、デジタルで納品できる仕事は、創造力と想像力が重要で、本人のカリスマ性など不要だ。
だからなのか、特にIT分野やクリエイティブ分野での新世代1億円プレーヤーは、内向的で自分自身を表に出さない人が少なくない。もちろん社交的な人もいるが、草食系が主流であるという印象だ。
私の知人にも漫画家や作家がいるが、内向的な人がほとんどだ。あえて言ってしまえば「オタク」で「ネクラ」。それでも成立するのが現代だ。
家からほとんど出ずに年収1億円を得る仕組み
これらの分野は自営業者が多いため、なかなか統計には出てこないものの、人知れず年収数千万円~1億円以上を稼ぐ人はザラにいる。
私も文筆家の一人としてビジネス書作家を多数知っているが、そのうちのある作家は「家からはあまり出たくない」「あまり人と会いたくない」と言っている。
そういう彼は本の執筆印税だけで年収1億円を超えている(彼はSNSで増刷情報をアップするので、おおよその印税額が計算できる)。
さらにコラム執筆やYouTubeの動画配信から得られるアフィリエイト報酬を加えると、1億5000万円くらいの収入があると思われる。
しかし、かかる原価は自分の時間だけだ。
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