星野リゾート 異端の経営

総支配人も立候補でなれる! 星野流「自己責任」の人事

現場で考えて動く組織を支えているのが、「星野のカルチャー」をたたき込まれた人材だ。400点満点という数字で社員を評価し、昇格は立候補制という独特の人事制度を探った。

※ 『週刊ダイヤモンド』2019年9月7日号より転載(肩書・数値などは掲載当時)

 評価と給料を上げたければ、自ら動け──。東京・銀座にある星野リゾート東京オフィス。全国のスタッフが、同社の研修「麓村塾」を受講するために足を運ぶ場所だ。

 6月中旬に開催された、会議での発言の促進や合意形成をサポートする「ファシリテーション」講座には、北海道から沖縄県まで、約50人のスタッフが姿を見せた。

社内研修「麓村塾」の様子。プログラムは自社開発で、業務に即したケーススタディーを通じた研修内容である。Photo by R.S.

 「今働いている施設で、一部のスタッフとの議論がうまくいかないという悩みがあり、スキルを身に付けたくて」──。

 ある受講者は参加の目的をこう話す。ただ、多くのスタッフが全国から研修のために集まるのは、単にスキルアップが目的ではない。給料アップに直結することが学べるからである。

 年200回ほど開催される麓村塾への参加は自由だ。階層も職能も関係なく、周囲から「行ってこい」と強制されることもない。

 空き時間や有給休暇を利用し、自分に必要だと思う知識やスキルを習得するための研修という位置付けである。

 各地の施設でも一部の講座は開催されるが、マネジメントやマーケティング、サービスの知識やスキルの講座は東京オフィスでの開催だ。全国のスタッフに不公平が生じないよう、参加希望者は必ず有休を取得でき、どの施設からであっても、交通費は会社が全額負担してくれる。会社が負担する研修のための交通費は年間2000万円に上る。

 研修の講師は基本的に社内の人間だ。かつては代表の星野佳路がマーケティングを教えていた時期もあったという。

経営抜きでももうかる施設を
現場がつくる

 東京オフィスで開かれる研修には、人事評価を上げるスキルを専門で教えている講座もある。

 星野リゾートの人事評価制度は明確な「点数制」だ。

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経営破綻したホテルや旅館の再生で知られる星野リゾートが、国内外共に出店を急増させている。独特のアイデアで話題づくりを行い、業界の常識とは一味違った運営方法で成長を続け、17年には悲願の海外での自社施設の運営を開始した。独自の組織力を武...もっと読む

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