おひとり様とファッション3-安く買うのではなく、究極の「安くつく」にこだわる

洋服ダンスを一度じっくり見てみましょう。洋服や小物など、似通ったものが多くありませんか? 同系色のカラー、似通ったスタイル、おなじみのブランド。自分の好みだけで買うと、似たものばかりになってしまうもの。経済評論家の佐藤治彦さんは、こう提案します。「あなたの好きなものはあなたに似合っていますか。自分にぴったりの洋服を選ぶのが難しいなら、時には誰かに選ぶのを手伝ってもらうのもいいかもしれません」。

服選びやヘアスタイルにプロの力を借りる

もっといい人間関係を持ちたい、もしくは人との関係で何らかの悩みや問題点を抱えているのであれば、なおさら服装や持ち物を見直して、この服を着ている私を世間はどう見るのかしら?と考えてみてください。
そして、自分の買い物のくせ、どういう風に買ってきたのかも考えてください。
着やすいもの、値段の安いもの、流行っているもの、自分の好み。
たとえば、そんなクライテリアだけで買っていたというのであれば、それは服装や持ち物で損をしているかもしれません。あなたを良く見せてくれていないからです。
衝動買いもいけません。
ストレス発散のために買っているだけです。

洋服ダンス、クローゼットなどを一度じっくり見てください。時間がある時にでも、持ってる洋服を全部出して床に並べてみてください。よくよくみたら、色やスタイルなど、同じような服、同じようなバックばかり買っていると気づくかもしれません。自分の好みだけで買っていたらそうなっても不思議はありません。
もう一工夫して別の雰囲気の洋服もあったなら、新たな人たちと出会うチャンスにつながるかもしれません。
そのためには、洋服やヘアスタイルでも、もっとプロの力を借りることも考えてみてください。

私は20年以上前に自分で髪形を考えるのをほぼやめてしまいました。
30代のはじめにテレビに出るようになった時に出会った美容師のMさんを頼っています。
Mさんは、今では多くの女優さん、俳優、歌手、また、セレブレティの人までが頼りにする美容師です。
最初はレギュラーで出ていたテレビ番組の若手ディレクターの高校時代の友人だからと、紹介されました。
老舗の美容院で修行中でした。今は独立され恵比寿で自分でサロンを経営していますが、続けてお願いしています。
テレビに良く出ていた頃には3週間に一度は通い、今は1か月に一度ほど通っています。
数年に一度、Mさんは「うーん、変えるよ!」と言って私の髪形を変えます。
年齢を重ね、髪質も毛量も変化していますから、その時に最良のものを考えてくれます。
ヘアスタイルなどを変えた後の数か月は、行くたびに必ず聞かれます。
なあ、周りの人はどう言ってる? 
美容師のMさんは、僕を周りから感じよく見えるように工夫してくれているのです。

大切なのは自分に似合うことと、相手を不快にさせないこと

セレブも含めた何百人という人を常に顧客に持ち、休日以外は朝から夜までヘアスタイルやメイクが周りに与える印象を何十年も仕事にしているのです。
自分好みのヘアスタイルがあったとしても似合わなければ仕方がありません。
例えば、私がキムタクのような髪型にしてくれと頼んでも、頭の形、髪質、髪の量、私の仕事や全体の雰囲気、キャラクターを考えると、やめておいたほうがいいのです。ですよね?

だから、基本的なスタイルは、ほぼおまかせして、自分はその髪を清潔に保つ努力をする。
周りの人への配慮です。
できれば、出会った人と気持ちよく時間を過ごしたいのです。
そのために、周りからどう見えるかはないがしろにできません。人からどう見えるかばかりを考えたほうがいいと言ってるわけではありません。おひとり様で、自分の好みだけで生きていると、そういう視点が全く欠落してしまう可能性があるから注意したほうがいいと思うのです。

流行に敏感で服装にもお金をかけている人で、自分がわかってない、似合わないよねと評価が割れてしまう人がいます。
反対にお金はあまりかけていなくても、とても上手に服装を選んで好印象を持たれている人もいます。
個々のキャラクターのいいところは強調し、悪いところは隠してくれるような洋服選びに成功している人もいます。
また、和装ではよく言われる、着こなしも大切です。印象が変わるからです。

あなたはどうでしょうか?

安いけどあまり着ない服、高いけどたくさん着る大切な服
どちらがお得?

洋服は芸能人でもない限り、ほぼ一日1着しか着ません。
新しい洋服を買うということは、それだけ、それまでに所有している洋服を着なくなることです。

もしも、あなたが週末や休日の洋服を新調したいと思っているのなら、あなたにとってその洋服をこのシーズンに着る機会は何回あるのかと考えて欲しいのです。会社勤めをしている人なら、それは年に120−30回ほどしかないのです。1シーズン30回。今まで持っていたものを着ることもあるでしょうし、誰にも会わずに一人で過ごすこともあるでしょう。新しい服を着る機会は意外と少ないものです。ですから、大切に選んでいただきたいのです。

私は洋服をバーゲンで買うことはとても危険だと思っています。
割引は魔法です。安くて得な買い物だと思うと、商品に対して求める基準、ハードルを下げてしまう可能性があるからです。
安いことは、とても魅力です。
なんか得した気分になります。
レジで購入するときに、ああ半額で買えた、安かったと嬉しい気持ちはマックスになります。
しかし、安いと喜んで買った服なのに、買った後はあまり気に入らなくて、結局タンスの肥やしになることも、よくあるものです。

せっかく半額で買ったものであったとしても、タンスの肥やしになるのであれば、バーゲンなどにこだわらず、あなたにとってぴったりの洋服を吟味して買うほうが賢いと思いませんか?
私はよくいうのですが、1万円の洋服を50%引きで安いからと購入しても10回しか着ないようなことをしてはいけません。
洋服は価格で選ぶのではなく、あなたをどれだけ引き立たせるか、似合っているか、何回も着たくなるかで選ぶものなのです。
1万円の服を定価で買ったとしても、それを30回着たら、バーゲンの半額の服とどちらが安くつくでしょう?
さらに、その洋服を着たことによって、人とのコミュニケーションが少しでも良い方向に進んだり、気持ちが晴れ晴れとしたら、どれだけいい買い物をしたことになるでしょうか。
そういうお気に入りの服は、あなたはきっと大切に丁寧に着るでしょう。 それは着こなしや、愛情ある洋服へのメンテナンスで変化が現れます。

あなたが、ああこの人は着こなしが上手だな。この装いをすることで得しているなあと思う人はどうやってそれを買っているでしょう。

ユニクロだ、しまむらだ、ファストファッションだ、アウトレットだ、と価格が安いことばかりをことさら追いかけて買っていないと思います。
バーゲンで買っているとしても、自分に似合う、お気に入りと出会えたから買ったはずです。安いから買ったわけではないのです。

ふさわしい恰好でないと自分が損をする

かつては、洋服の知識が豊富で審美眼もあり、どんな洋服を着たらいいのかアドバイスしてくれる店員のいる洋服店が数多くありました。
今は決して多くありません。
今はセールスのプロが多く、すぐに「お似合いですよ」「それが最後の品です」「お買い得です」と買わせようとする人ばかりです。
洋服のプロが少なくなりました。 私も自分で決めて買うことがほとんどです。
ところが先日、渋谷で靴を買おうと入った店で、いくつかに絞った後で候補の靴について、いろいろと教えてくれる人がいました。
そういう人と出会ったら、それは価格だけでなく、自分に似合うもの、買うべきものと出会わせてくれる、客観的な目でアドバイスしてくれる人になるかもしれません。

私はどちらでもいいなと思ったのですが、その店員さんのアドバイスに従ってみました。
店員さんは少し驚いた顔をしていましたが、次に出かけたときには、もっと丁寧に、もっと真剣に商品選びに付き合ってくれました。
私はたとえ割引になっているものでも、店員の人から「お買い得ですよ」と早々に言われたら、その人のアドバイスはあまり頼れないなと思うくらいです。
安いかどうかはプロでなくてもわかります。
私がわからないことを教えて欲しいのです。
たとえば、この靴のソールはどうなっていて、どういうシーンに向いているかとか、どんな素材でメンテナンスにはどんな配慮が必要か、そういうことを教えてくれる人を探しているのです。
そして、私は気がついたのです。

ゴミにお金を払っていないか

ふらっと思い立って靴屋さんに入ったときに、だらしない装いだと、店員さんの話してくれる内容がまったく違うのです。
装いに気を配ってない時には、私の聞きたくない「お買い得ですよ」というフレーズがすぐに飛んできます。

このお買い得ということですが、お買い得かそうでないかは買ったときなどには決まらないものです。
買ってみて、着尽くした、この洋服で新しい人間関係ができた、人に誤解されずに済んだ。そうしたことは洋服を買って使って時間が十分過ぎてから、はじめてお買い得だったと決まるからです。
繰り返しになりますが、買ったときにはお買い得だと思っても、はかない靴、着ない洋服を買うこともあるでしょう。
でも、それはゴミにお金を払うのと同じです。

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おひとりさまの家計経済学

佐藤治彦

「普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話」「普通の人がケチらず貯まるお金の話」でシリーズほぼ12万部の経済評論家、佐藤治彦のおひとりさまと、将来おひとりさまになりそうな人が、直面する経済と生活の問題を真正面に取り上げて、その具...もっと読む

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コメント

88pappillon88 最近考えていたことだった! 自分がどういう買い方の傾向があるかを、今時間が在る時に見直してみようと思います☆ 7ヶ月前 replyretweetfavorite