おひとりさまとファッション2-洋服もヘアスタイルも自分の好みだけで決めてはいけない

洋服を自分の好みだけで選んでいませんか? 自分の好みで自らの洋服を選ぶのは当然と思うでしょうが、経済評論家の佐藤治彦さんはちょっと立ち止まってほしい。「おひとりさまこそ、洋服やヘアスタイル、持ち物などの力を考えるべき。自分の好みだけで決めていいものだろうか?」と言います。自分が着るべき洋服とは、なんでしょう。それを、どうやって選べばよいのでしょう? 大切なのは第三者の視線と、客観視なのだそうです。

新型コロナウィルスで、「自宅」までくつろげない場所に

新型コロナウィルス の猛威が世界中を襲ってますね。
私の知り合いの若いお母さんは、自分が感染するのではないかと心配するとともに、自分が家族、夫や子ども、両親などにうつさないか、逆にうつされないかと心配しています。
確かに家族間の感染例はとても多いですよね。
その人は70平米くらいのマンションに住んでいるのですが、子どもさんとはどうしても濃厚接触になってしまいます。けれど、家の中まで常にマスクをして過ごすのは難しい……、本来は安らぎの空間であるはずの自宅こそが最も気を使うし心配だ、と疲れきった表情で言いました。
「佐藤さんはひとりものだから、家にさえ入っていれば誰とも接触しないで安心よね」って言われたので、「いや、デリバリーや集金の人は来るから」と言ったら憮然とされてしまいました。
私は、山梨県で20代の若いひとり住まいの男性が新型コロナウィルスによる肺炎と髄膜炎で家で倒れていたのを、数日経ってやっと発見されたことを思い出しました。
すべての物事は一長一短。私も彼女も羨むことはないのです。

私は家族やパートナーと暮らしている人も個室があるのであれば、自分の部屋に入っている限りは感染の心配も少ないと思いますが、どうでしょう?
実際は個室のない人もいるでしょうし、そうでなくても共有空間、トイレや水回り、ダイニングなどを気にして常にアルコール消毒をするのも大変です。
自宅で個室を持たない人は、家族とどういう関係を取ればいいのでしょうか。 さらに、他人とシェアハウスで生活をしている人はことさら大変だと思います。ひとり暮らしでなく、家族など誰かとともに暮らしているからこその苦労です。
コロナウィルス の問題に関しては、同居する人、皆が協力し合わないと困りますね。
しかし、同居していても人間関係が破綻している場合は少なくありません。
同じ屋根の下で暮らしていても人間関係がない。
孤立しているという例は少なくないのです。

おひとりさまと孤独は違う。
人生を豊かにしてくれるのは、人間関係

前回から「おひとりさまとファッション」というテーマで話を進めている中で、おひとりさまと孤立はまったく別のものだというお話をしました。
おひとりさまでも、多くの人と良い人間関係を築いて楽しく生きている人もいるし、外から見ると家族に恵まれ幸せそうに見えても、実は孤立している人もいるものです。
孤立どころかギスギスした関係の人もいるのです。

日本における殺人事件の55%は親族間で起きています。
人間関係が壊れて憎しみに心が染まると、家族こそが誰よりも許せなく、憎い存在となってしまうのです。
やはり、人間関係が良好であることは、人生を豊かに幸せにしてくれるものだし、財産なのです。

そうは言っても、おひとりさまは、私もそのひとりですが、人間関係を築くのが苦手な人も少なくありません。
人間関係は第一印象から始まります。 人間関係を築くのが難しい人は、そこからつまづくことも多い、大きな壁になるのです。

装いは自分のためだけにするものではない

魅力的な表情、笑顔や他人に対する自然な配慮、話し方、人を楽しませる力。その人自身のもつ様々な人を惹きつける魅力。
それらは持って生まれたもの、長年の生き方や努力で獲得するものでもあります。
自分にもあったらいいなあと思っても、そう簡単に手に入るものではありません。
しかし、装いやアクセサリー、持ち物からくる印象、ヘアスタイルや清潔感などは、わりと容易に改善させることもできます。また、口臭や匂いなども大切ですね。

ポイントは、装いは自分のためだけにするものではないということを少し意識することです。

例えば、結婚式にTシャツ、ジーンズで出かけたら、どんな風に思われるでしょう。
結婚式に着ていく礼服は自分のために着るのではありません。
晴れの日を迎える二人とその親族に対するお祝いと尊重する気持ちが表現されていなければいけないのです。 自分の好みだけで決められません。
女性の多くは美容院に行きヘアスタイルも整えて列席するものです。
男性でも配慮できる人はきちんとそうするでしょう。
社会では多かれ少なかれ、装いというものは、他人への配慮が求められるのです。

もちろん、無頓着であっても構わない特別な人もいます。
例えば、大谷翔平選手や広瀬すずさんが、球場や撮影現場から何らかの場に駆けつけてくれたとします。
その時に着ているものが例えユニフォームなどその場に相応しくないものだったとしても、誰も嫌な気分にはならないでしょう。
特別な人とはそういうものなのです。
それは、彼らの存在そのものが強い磁力を持ち、コミュニケーション能力を獲得しているからです。
出会う前から人間関係が始まっているようなものです。
また、そういう有名人ではなくても、強いコミュニケーション力を持つ人もいます。
それは第一印象のいい人です。

自分の嗜好が自分にとってプラスに働いているか

見知らぬ人と初めて会うときにどう言う印象を持つか。持たれるか。
人間関係を築くのが下手な人は、ここでいい結果を残せていないのかもしれません。
第一印象が悪いと、人間関係はマイナスから始まります。
もちろん人は見かけによらないものと言います。
知ってしまえば、良好な関係を築くこともできるでしょう。
ただ、そこに行き着くまでは大変な道のりなのです。

繰り返しになりますが、第一印象は、見た目、仕草、声や会話、匂いなど様々な要素がありますが、服装、髪型やメイク、持ち物など、割と簡単に変えることができます。
正しく選択すれば、それらがコミュニケーションを助けてくれるのです。

最近はどうなのかわかりませんが、私が若い頃の男性は、着るものや髪形に無頓着だった人でも、彼女ができたり、結婚すると、大きく印象が変わる人が大勢いました。
女性のアドバイスを取り入れて服装や髪形が変わったからです。
清潔感が増したり、野暮ったさが消えたりするのです。
もちろん時には、変テコな方向に行っちゃったよね、などと陰口を叩かれる変貌というものもあったのですが、それも含めて印象が変わるということはよくあるものでした。

決して誰にも迷惑をかけているわけではないので、非難しているわけではないのですが、時おり40歳を遥かに超えた年齢なのに、まるで10代の女性が着るような服装を着ていたり、ポニーテールやおさげ髪といった少女のような髪形をしている人がいます。
わかりやすくいうと、林家ペー子さん、さらに、夫婦漫才の最高峰、大助花子の花子さん。
芸能人のお二人はそれがトレードマークで個性なので、構わないでしょうが、一般の人がしていたら、いくら自分の好みだろうと周りの人は距離を取ろうとするでしょう。 引いてしまうのです。
さらに仕草や話し方なども強烈な印象を与えると、距離どころか、出来るだけ避けようとするかもしれません。 最初の会話が始まるまでに高い壁ができてしまうのです。

自分の好み、嗜好で選んできた、服装、髪型、メイク、匂いといったことが、自分にとってプラスに働いているか、いちどじっくりと考えていただきたいのです。
特におひとり様は、積極的にアドバイスしてくれる人を見つけないと、自分が見えなくなることもあります。誰も言ってくれないからです。

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おひとりさまの家計経済学

佐藤治彦

「普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話」「普通の人がケチらず貯まるお金の話」でシリーズほぼ12万部の経済評論家、佐藤治彦のおひとりさまと、将来おひとりさまになりそうな人が、直面する経済と生活の問題を真正面に取り上げて、その具...もっと読む

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nananananajo とてもタメになるお話♦ 7ヶ月前 replyretweetfavorite