アマチュアの劣等感をバネにチームを成長させる指導者の心構え

プロになれない劣等感をバネに努力するアマチュアの選手たち。そんなチームの指導にあたった野村監督が見つけた真実とは? “先生”や“リーダー”の立場で日々奮闘するあなたに、『野村の教え方 すべての指導者に贈る最後のメッセージ』から、日本プロ野球“最高の教師”の野村克也が指導法の神髄を語る。★毎週木曜日更新★

信頼の厚い監督はグラウンドに立つだけで場の空気が引き締まる

教育者には、人望も欠かすことのできない要素だろう。

「この人についていけば確実に進化できる」

「この人のアドバイスは間違いない」

人望とは、周囲の者にそう思わせる人間力に他ならない。人望を身につけるためには、深い知識を身につけるだけでなく、度量や風格、決断力なども備えておく必要がある。さらに、人として尊敬できる人物であるかどうかも問われる。

「『信』は万物の基を成す」という言葉があるように、すべての基本は信頼関係である。教育者は、教え子との間に、いかにして信頼関係を築くかに心を砕かねばならない。信頼関係があれば、すべてはうまくいくようになる。人望があれば、おのずと信頼関係も生まれてくるだろう。

日本プロ野球史の中で「大監督」と呼ばれた人のほとんどが、選手から信頼されていた。しかも、藤本定義さん、鶴岡一人さん、三原脩さん、水原茂さん、川上哲治さん、西本幸雄さんといった「名将」は、そろって風格を兼ね備えていた。

「この人なら大丈夫だ」

「この人のためにやらなければならない」

そう思わせるようなムードがあった。私が身近で接していた鶴岡さんなどは、威厳そのものといった人で、ただグラウンドに立つだけで場の空気が引き締まった。私などは、こきおろされることも多かったが、選手たちの人望が厚かったのもまた事実である。

アマチュアの指導者は恐れを知らない

2001年、私が社会人野球チーム・シダックスから監督のオファーをいただいたとき、志田勤会長(当時)の言われた言葉が忘れられない。

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日本プロ野球“最高の教師”の野村克也が「教え方」の神髄を語る

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野村の教え方 すべての指導者に贈る最後のメッセージ

野村克也

古田敦也、新庄剛志、宮本慎也、稲葉篤紀、田中将大——。球史に残る名選手を次々に育て上げた名将・野村克也。日本のプロ野球“最高の教師”が「教え方」の神髄を語る。プロ野球ファンはもちろん、スポーツインストラクター、学校の教師、会社のマネジ...もっと読む

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