がむしゃらに働く前に頭脳を回転させる
旧世代1億円プレーヤーは、自分がどれだけ多忙であるかを周囲に自慢する傾向がある。
たとえば、「昨日は徹夜した」「あちこち出張した」「こんなに打ち合わせが多かった」などだ。
一方、新世代1億円プレーヤーは逆に、労働時間の短さを自慢する。
たとえば「一日でこれだけしか働いていない」「寝ていても稼げている」「打ち合わせはZOOM(オンライン会議アプリ)で十数分だけ」など……。
これは良い悪いの問題ではなく、世代間による労働観の違いなのかもしれない。
旧世代は人一倍努力して成功した世代ゆえに、「労働は美徳」という価値観がある。
一方、新世代はがむしゃらに働くことを良しとせず(もちろん必要なときはやる)、むしろいかに効率的に稼ぐかを意識している。
ただしこれは「怠ける」とは根本的に異なり、見た目はのんびりでも彼らの頭脳はフル回転している。
では何を考えているかというと、「どうすればこのビジネスを仕組み化できるか」についてだ。これは、ビジネスを「インカムゲイン」に導くということでもある。 どういうことか。
投資にキャピタルゲイン(売却益)とインカムゲイン(運用益)があるように、ビジネスモデルにもキャピタルゲイン・タイプとインカムゲイン・タイプがある。
キャピタルゲイン・タイプはいわゆる狩猟型で、1回あたりの売上は大きいものの、常に新規の顧客を開拓し続けなければならないという宿命を背負っている。
典型的なのが、たとえば人材紹介や不動産販売だ。人材紹介は転職者の年収の30%くらいの紹介手数料がもらえるので、仮に年収1000万円の人材の転職を成功させれば300万円の報酬がもらえる。
不動産販売(仲介)も同様で、5000万円のマンションを売れば3%の仲介手数料、つまり150万円の報酬が得られる。
人材紹介は設備投資も資金も不要だし、不動産販売も仲介ならば、ほぼ資金ゼロでできる。
しかし考えればわかるとおり、取引が1回1回で完結するので、すぐに次の顧客を探さなければならず、それが半永久的に続く。そのため、いわゆる狩猟型で売上も不安定になりがちだ。
さらに景気に左右されやすいという特徴も持っている。不景気で真っ先に落ち込むのはこうした業態だ。
一方のインカムゲイン・タイプはいわゆる農耕型で、1回あたりの売上は小さくても、月単位あるいは年単位で継続的にお金が落ちるモデルだ。
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