カッコいい男性のことをイケメンと言いますが、将棋にもイケメンがいます。
たとえば前回登場した美濃囲い、
将棋の中でもかなりのイケメンです。でも似たような格好でも、
これはイケメンとは言えません。4九の銀に連結している駒がないので、仮に△8九飛のように攻められると次に4九の銀を取られてしまうからです。
この点、美濃囲いは全ての金銀が連結しています。そういう形は大体いい形でイケメンです。
人を見かけだけで判断してはいけませんが、将棋の場合は見かけで判断することが大切です。イケメンの形を知っておくと、目指す形が分かるので手を選ぶ判断材料になるからです。
私もせめて雰囲気だけでもイケメンになりたいものです。
さてここから、三間飛車で棒銀戦法を打ち破る指し方を解説します。
将棋は「詰み」まで同じ手で進むことはないので、覚えても役に立たないのでは? なんて思う方もいらっしゃるでしょう。確かに将棋の実戦は常に応用問題です。相手が違えば指し手も変わってきます。
なので手を覚えるのではなく、イケメンな形とそのロジックに意識を置いて読み進めてください。
それではこちらが三間飛車で先手、相手が棒銀戦法で後手の場合を見ていきましょう。
序盤は攻めの形と囲いを作っていく
初手から、▲7六歩△8四歩。
【図1】
まだ双方の角が取れる状態ではなく、相手の飛車の前の歩も1つ進んだだけ。
そこで飛車を動かしましょう。
【図2】
ビュンと飛車を動かして気分がいいですね!
相手が△8五歩ときました。
【図3】
相手の飛車の前の歩が2つ進んだら要注意
前回の話を思い出してください。相手の飛車の前の歩が2つ進んだら、
【図4】
角を動かしましょう(▲7七角)。
相手が角の道を開けてきました(△3四歩)。
【図5】
次も大切なところです。角を交換されないように、
【図6】
▲6六歩と、角の道を止めて安心です。
相手は棒銀戦法できます。こちらも銀を角の横に持っていきましょう。
(△7二銀▲6八銀△8三銀▲6七銀△8四銀)
【図7】
相手の銀がこれ以上前進しても、右なら歩で、左なら角で取れます。
よって相手の攻めはまだこないので、玉を囲います。
(▲4八玉△7四歩▲3八玉)
【図8】
ここから先は、「すぐに相手が攻めてきた場合」と、「相手も囲いをつくってきた場合」の2パターンで考えていきましょう。
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