捨て本

独占ではなく共有

ホリエモンがこれまで、何を捨て、その先に残った、本当に大切なモノとは?自身の半生を振り返った経験を元に指南する、“持たない頼らない執着しない” 新時代の「捨てる」生き方入門。堀江貴文の新著『捨て本』をcakesで特別連載!

<分かち合うこと>
独占ではなく共有。
体験は共有することで楽しみのバリエーションが広がる。

 2013年3月27日、刑期の7割ほどを消化して、僕は仮釈放され、11月10日には刑期満了となり、自由の身に戻ることができた。
 出所後は、一度も自宅を持っていない。現在まで、ずっとホテル暮らしだ。
 持ち物は収監直前に大部分を整理して、トランク4つ分くらいに収まっている。ほとんど増えていない。むしろ、もっと減らしていけると思う。
この断捨離生活は、長野刑務所への収監をはさんで、加速している印象だ。

 僕の所有欲のなさは、あまりに特異すぎると、周囲に言われる。そんなに珍しいのかなぁ? ……と、不思議に思う。
 モノがなければ不便でしょ? とも言われるが、何も不便はない。
個人での「所有」をほとんど認められない刑務所暮らしをしてみて、不自由ではあったけれど、不便を感じたことはなかった。 
 逆に、モノなんかなくても生きていくには何も問題はないという、それまでの僕にとっての常識を、収監中に証明したような気持ちだった。

 所有欲のなさは特別だと感じない。
 ただ、その一方で、もしかしたら 〝共有欲〟 の強さは、人よりも強いのかもしれない、と思うことはある。

 「楽しみを見つけたり、つくり出すのがうまい」と言ってくれる人がいる。これはたしかに自分でも得意な方だと思う。
 そして、こうした楽しみを独占するのは、嫌なのだ。
 飲みの席でみんなに伝えたり、本やSNSで発表したり、多くの人たちと共有したい。見せびらかして、「いいね!」と言ってもらえることは、やっぱり気持ちいい。
 そして共有することで、また知らない楽しみや、面白いアイデアが集まってくるようになる。
楽しみは、共有すれば、さらに楽しみが膨らむ好循環が生まれるのだ。

 昔からそうだったが、車でも、自家用機でも、自分のモノを知り合いに貸すことには抵抗はなかった。みんな乗りたいんなら自由にどうぞと思う。
 さすがにスマホとか共有できない道具は無理だが、共有することでみんなが楽しんでくれるなら、すすんで差し出そう。

 別に心と心がつながった、親友が欲しいわけではない。というか、そんな存在はいらない。信用は絶対ではないし、結局、その相手への依存が生じてしまって、面倒な問題が起きやすくなる。
 とりわけ、僕の場合は毎日の過ごし方が多動的で、全部について来られるタフな人なんかいるわけがない。少し仲良くなっても、以心伝心を築くところまで、たどり着けるわけがない。
気持ちの完全な合致は無理。だけどポイントごとに、つながることはできる。 
 このビジネスをやるにはこの人、ゴルフはこの人、カラオケはこの人……と、うまく付き合いを分散して、楽しみの共有の幅を広げていく。少なくとも僕にはそれが合っている。

 ひとりの人とか、ひとつの関係にこだわる必要なんてない。
 時代は急速に、シェアリングに傾いているのだ。

  Airbnb、Uberなど、ここ数年ですっかり馴染みになったが、こうしたシェアリングエコノミーが浸透した要因は3つだ。

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堀江貴文

良くも悪くも、あなたの持ち物は重くなってはいないか。 大切にしていた「はず」のモノで、逆に心が押しつぶされそうになってはいないか。 だから、ビジネスも人生も「捨てる」ことからはじめよう。 ...もっと読む

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