新型コロナウィルス は心配だったけれど、いつも以上にとても静かな屋久島を旅してきた

いまだに終息がみえない新型コロナウイルスの流行。イベントが次々と中止になり、外出自粛ムードの中で旅行どころではない、と思われる方も多いでしょう。そんな中、旅行が趣味で、ほぼ毎月のように旅行に出かけている経済評論家の佐藤治彦さんは、屋久島ツアーに出かけてきたそうです。この時期に旅行に出かけた理由とは?

樹齢3000年の紀元杉

2泊3日の激安屋久島ツアーに参加

新型コロナウィルス が心配で、できるだけ外出もせず静かにしている毎日ですが、3月3日から1月に申し込んだ大手旅行会社のパックツアーで屋久島に2泊3日の団体旅行をしてきました。
日本に23あるユネスコの世界遺産のうち、自然遺産は4つです。
そのうち最も早く1993年に登録されたのが鹿児島県の屋久島です。島の面積の21パーセントが世界遺産に登録されています。それはこの島の独特の地形が元になっています。
周囲130キロの島には九州で一番高い1936メートルの宮之浦岳のほか、1500メートル以上の山が多数あります。南の海からの湿った空気は、高い山にぶつかり雨となって降り注ぎ、降水量がとても多い島なのです。
島の人は屋久島は月に35日雨が降ると言うそうです。
それでなくても山の天候は変わりやすいと言われますが多くの高い山が壁となって島の北側と南側では天候が違うことも多いそうです。

もうひとつの特徴は、屋久島は火山活動でできた島ではなく、海からの隆起でできた花崗岩の岩の島であるということです。
つまり、ほとんど土がない。それが、豊富な雨量と温暖な気候で岩に苔などが生え、そこに長い間に木々が生い茂った島なのです。
苔やシダの多く生えた森林には数千年の時を生きてきた杉の木が生えている。そのうち標高600メートルから森林限界の1600メートルの間に生息する樹齢1000年以上の木々を屋久杉と呼ぶそうです。 うっそうとした森林の中に生息する苔やシダ。雨が多いのでじわっとしています。そこに悠久の時を生きてきた屋久杉。まるで宮崎駿監督の「もののけ姫」の世界です。 島のガイドさんは、本州の植物を凝縮している、と言ってました。亜熱帯のカジュマルの樹の北限であり、杉の木の南限でもある屋久島。冬でも温暖ですが、頂上部には雪が積もるという島なのです。
屋久島の滝は花崗岩を流れる。これは千尋(せんぴろ)の滝

屋久島ツアーを選ぶときのポイント

都会に生きてきた私にとって、屋久島は15年ほど前から国内で最も出かけてみたい観光地の一つとなっていました。
そして、時にはツアーに申し込んだこともあるのですが、都合が悪くなったり、もうひとつの理由で断念していたのでした。
もうひとつの理由とは、国内旅行では、最も値段の高い観光地のひとつと思えたからです。
2泊3日のパックツアーで最低で8~9万円は予算を組まないといけないのが屋久島です。
それが今回は、島まで航空機を使い、ヤクスギランド、紀元杉、白谷雲水峡という定番の観光コースに加え、島周辺の滝やカジュマル公園、神社などの観光もついています。ホテルもガイドブックにも記載されている海岸沿いの有名ホテル指定で6万円以下。朝食と夕食の各2食付。激安です。

観光のベストシーズンは新緑の芽吹く4月から5月上旬までということも考慮。
それ以降だと台風がいつ来るか分かりません。
せっかくツアーに申し込んできたものの、天候の理由で、山中にしかない屋久杉はまったく見られなかったという経験談も聞いたことがあり、比較的雨の少ない春の初めまでの時期がいいだろうと思っていました。
となると、コロナウィルス の終息を待つことは、また来年という選択になるなと考えたら、次にこんないい条件のツアーに出会えるか分かりません。
あとで紹介する自分なりのコロナ対策を立てて旅行を決行することにしました。

鹿児島空港から30分。移動手段は飛行機がベスト

屋久島にもっと安く行くことができると言われる方もおられるかもしれません。
しかし、観光や食事までパックになったものを考えるとなかなかないものです。
私なりの屋久島ツアーの選ぶポイントをご案内しましょう。
屋久島のツアーを選ぶときのポイントの一つは、屋久島までの交通機関です。
屋久島と本州は、鹿児島空港とJAL系の日本エアコミューターが繋いでいます。

鹿児島空港以外にも、毎日1往復、伊丹と福岡との便もあります。
鹿児島から飛び立てば30分ほどで屋久島空港につく便利さです。
また、鹿児島から船便で屋久島まで移動するものもありますが、もちろん飛行機を使うものの方が便利で身体への負担も少なく高額になります。

次にホテルのグレードと立地です。
立地については、屋久島観光のメインであり島に訪れる人の憧れでもある樹齢7200年の縄文杉を目指す縄文杉コースのトレッキングを楽しもうとするとするならば、安房地区に泊まるのがオススメだと言われます。
縄文杉トレッキングに要する時間は往復で10時間。そのためほとんどの人が朝4時までには起床し、5時ごろには宿泊施設を出発するというスケジュールになります。
ただし島の中でも登山コースに最も近い安房地区のホテルや民宿ならば他の主な地区と比較すると往復で1時間ほどの時間の節約ができます。
とくに朝の30分を考えるとオススメの場所となるそうです。ヤクスギランド。30分から3時間半まで選んで楽しめる

屋久島観光のメインディッシュは主に4つのコースのトレッキングです。
そのうちのどれに行くのか。
ガイドは付くのか、コースは全てか一部なのか。確認しておきたいところです。

簡単に4つのコースを紹介すると、最終目的地の縄文杉を見に行くまでに数々の屋久杉を見ることができる往復10時間の一番人気の縄文杉コース。
30分から3時間30分までのトレッキングコースがあり、そのうち50分までのコースは歩道が整備されトレッキングというよりもウォーキング感覚で楽しめるヤクスギランドコース。
苔とシダ、そして様々な屋久杉の木々に滝などが織りなす自然を楽しめる白谷雲水峡コース。
そして、最も難易度が高いのが九州一の最高峰を登頂する宮之浦岳コースです。

もちろん個人で楽しむこともできますが、トレッキングなどに慣れていない人はもちろん、慣れた人こそ登山ガイドとともに挑戦する方がペース配分や途中の必見ポイントも逃さず安全で楽しい旅を楽しめることを知っているでしょう。
パックツアーのほとんどはトレッキングにはガイドさんがついています。
個人でトレッキングをするとなると、時期によってはシャトルバスでしか登山口までいけないので交通手段のチケット、途中で食べる弁当などの手配や登山協力金の支払いまで細かな手配が必要になります。パックツアーでは、いろいろの面倒なことはする必要がないのも魅力の一つです。ヤクスギランド。50分コースまでは歩道が整備され歩きやすい

理想的な屋久島観光とは?

地元のガイドさんドライバーさんに理想的な屋久島観光を聞いてみました。
というのも、今回のツアーも十分に楽しんだのですが、憧れの縄文杉トレッキングは含まれていません。
ヤクスギランドや白谷雲水峡にもいきましたが、歩きやすいそれぞれ50分コースをゆっくり90分かけて見て回るものでした。もっと奥まで行ってみたい。そういう風に思ってしまう屋久島入門ツアーだったからです。

もちろんツアーの中には縄文杉トレッキングをするものもあります。
予算は12万円以上でしょうか。
ただし、ツアーの場合は、ほとんどで最初から2日目に縄文杉コースを登ると決められています。
先述したように屋久島は雨の島。晴れの時と雨の時でも同じコースを登るのでも難易度が異なります。
雨でも2日目には縄文杉コースに挑戦することになります。
しかし、個人で少し長めに旅程をとって旅をすれば、例えば縄文杉コースにトライするにしても、どの日にいこうと決めずに屋久島に来ることもできます。
直前の天気予報などでどの日に行くのがベターか決められるというわけです。
個人で地元のガイドさんを雇うことになれば、旅の予算はより多く組まなくちゃならないけど、それが一番いい方法だねと地元の人は教えてくれました。
ちなみに、人気の縄文杉コースですが、コースの距離の8割は割と平坦なトロッコ道を歩くのですが、2018年にコースに板が引かれて整備され、それ以前と比べると断然歩きやすくなったそうです。そのため以前と比べると平均30分ほど短い時間で楽しめるようになったそうです。

白谷雲水峡はまるで「もののけ姫」の世界。縄文杉コースの次に人気だ

ここまで聞くと、元気で健脚じゃないと屋久杉には出会えないのかと思われる方もいるかと思いますが、ヤクスギランドは本当に歩きやすかったです。
ちなみに私は家を出て羽田に向かう途中で普段履いているズック靴で来ていることに気がついたのですが後の祭り。
ハイキング用の靴でなかったのですがヤクスギランドは安心して楽しめました。
また、樹齢3000年の紀元杉も観光バスが止まる道路からでも見られるので、車椅子の方でも楽しめるはずとのことです。
縄文杉がデッキからしか見られないのに対し、紀元杉は道路から舗装された道と階段でその周囲を360度歩いて見て回れます。次々と表情を変える大木の迫力は満点でした。

短い旅でしたが、屋久島名物の飛び魚や首折れサバなども楽しみ、またいつか来たいなと思いました。
屋久島の観光業に携わる人にとってみると、この1年は災難続きです。
昨年の5月には大雨で鉄砲水とがけ崩れで300人もの人が一時孤立するということもありました。
寸断されたのは、屋久杉ランドに行く途中の県道だったのです。
そのあとで観光客が一時的に落ち込みました。

旅行中気を付けた新型コロナウイルス対策とは

そして、今年に入るとコロナウィルス による観光客の激減です。
そんな騒ぎが大きくなる 今年の1月、ダイレクトメールがきてびっくりするほど安い屋久島ツアーだったので申し込んだのですが、私には心配がありました。
安いツアーというのは、多くの場合が参加人数が多すぎて、それこそ濃厚接触な感じになってしまうので嫌だなあと思っていたのです。
しかし、出発の1週間ほど前に旅行会社に電話をしてみたら、どうも少しキャンセルが出たようで、激安ツアーにしてみると少人数での旅行になりそうでした。
そこで、自分のできる最善の対策を立てて参加しようと思ったのです。

それは、航空機、バス、レストランでの団体の食事。
そういった時もできるだけ他の人から距離をとる、密閉空間ではホテルの部屋以外はマスクをする。
バスは窓を少しでも開けて換気に努める。
ハンディの消毒液のボトルを持ち歩き必要だと思ったらいつでも使う。
寒くなくても手袋をできるだけする。
そういう対策をして出かけました。
出かけてみると、中国などからの観光客がほとんどいません。
国内からも激減していて、シーズンの始まりにも関わらず適度な静寂の中で旅を楽しむことができました。

本当に佐藤さんは旅に出かけたの?と呆れておられるかたもいて不思議ではありません。
私もコロナウィルス の猛威のおかげで観光地には人がいないから行ったらどうか?などと勧めているわけでもありません。念の為に申し上げておきます。

帰りのフライトでは薩摩半島の先端が美しく、開門岳や池田湖もはっきり見えた

今回は、いつか屋久島に旅行に行って見たいと考えておられる方に少しでもヒントになるようにと書かせていただきました。
最後に鹿児島と屋久島間を飛行機で移動される方に情報です。

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佐藤治彦

経済評論家にして旅行マニアの佐藤治彦氏が、73の国と地域を自腹で旅してわかった、旅を堪能するコツと技術! 主要な観光地を効率的に廻ってくれて、チケットやホテルの手配いらず、スーツケースも運んでくれて、何かと便利なパックツアー。一方、自...もっと読む

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SatoHaruhiko 連載中「楽しく得する旅行攻略術」では先日の屋久島旅行の話を書きました。今どきの旅行についてや、将来は屋久島に行ってみたいと思う方への攻略法も。ぜひ読んでみてください。 https://t.co/J7cxO0B5u3 8ヶ月前 replyretweetfavorite