今回のウイルス騒動で興味深いのは、同じことが、ほぼ全世界で起きていること。東南アジアから見ていると、国によってコミュニケーションの形がさまざまなことに驚きます。
今、日本でもいろんな議論が巻き起こってます。
「クルーズ船のことにしても、学校を休みにする理由についても、情報が伝わってこなくて、よくわからない」という意見を聞きました。
海外にいるので全部見ているわけじゃないですが、「わかりにくい」「理解しにくい」のかな、という気がします。
短い・シンプルなコミュニケーション
前回の記事で、海外で必要なコミュニケーションは、
・シンプル
・相手を選ばない
・感情的にならない
・短い時間ですむ
・わかりやすい
ことだと書きました。
ただ、これが唯一の正解とは思いません。世の中のたいていのことに正解はないので。けれど、だいたい、こんな感じで私は捉えてる印象です。
厚生労働省の説明を全部読んだのですが、長くて難しいと感じました。
実はこれ、以前も書いたけど、日本企業が海外に進出するときの大きな罠なんです。
日本企業のリリースは長すぎてわかりにくいことがある。
そのままマレーシア人に翻訳して出してもダメなんです。
見ていると、台湾もマレーシアもシンガポールも、政府の発表はシンプルです。
マレーシアは3月1日時点では、29人の感染が誰から誰に広まったかがまだ追跡できるレベルでした。新しい患者が誰からの繋がりで感染したか、すぐにわかるような発表がされています。例えば、「日本で感染した患者24と濃厚接触したため看護師が感染」「どこの病院に入院しているか」などがわかります。これなら、文字を読むことが苦手な人でも1発で理解できます。
マレーシアでの進捗状況のアップデート。新しい患者が左側の4人で、それぞれの国籍と年齢、外国への滞在履歴または、すでに発表されてる患者との関係性が書いてあります。右は男女比、国籍別です。
患者の関連を表した図。誰がどのような関連で感染したかがわかるようになっています。
マレーシアは今まさかの政権交代が起きてますが、政情不安な中でも毎日更新中。感染者は増えてきて(日本から来た感染者もいます)今後はマレーシアもどうなるかわかりません。
ただ、日本でシンプルなコミュニケーションをすると、細かいことが気になる人も多いので、難しい面はあるかもしれないですね。
ときには丁寧なコミュニケーションが人の気持ちを鎮めることもある
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