K-POPからみえるもの—もう一つのIFと新たなカ 第1回

日本でもよく耳にするようになったK-POP。だが、その音楽的な評価は一般的に高いとは言えない。K-POPの内実はいかなるものなのか、JPOPとの比較も織り交ぜながら、ライターの久保内信行さんが迫ります。(全3回)

ぶっちゃけ、K-POPどうよ?

「音だけ本格的だけど、なんだかメロディーが泥臭いんだよね……」
「画一的なダンスミュージックばかり」
「K-POPは日本のパクリの音楽ばっかりじゃないか」
「洗練されているけど、アメリカの真似だ」

 テレビ番組で頻繁に少女時代やKARA、BIGBANGなどのK-POP(韓国ではK-POPとはあまり呼ばれず、韓国歌謡と言われる)を耳にするようになって、日本でよく聞かれるような印象や批判を列挙してみた。これらの批判は、確かに、一面で当たっていると感じることが多い。模倣を感じる楽曲は多く、アメリカ・ビルボードのヒット潮流になぞった曲調もあり、その割に日本の演歌を思わせるメロディーが、唐突に歌い上げられる……。まあ、たしかにその通りではある。

 また日本と韓国のあいだの竹島問題の盛り上がりなどとリンクして、「K-POPを放送するな!」 という過激な意見も見られるようになり、数年前から怒涛の勢いでお茶の間に進出していたK-POPが元気を失っているようにも感じる。

 そんな急激に旗色の悪くなったK-POPだが、10年来のK-POPファンとして、「ちょっと待て」と言いたい。冒頭で書いた批判をたしかにその通りのところもあるよね、と認めながらもだ。筆者は逆に、そういう音楽だからこそ今聴かれるべき魅力を湛えているのだといいたいわけだ。とくに、ポップミュージックをかなり聞いていて洋楽に慣れ親しんだ層にこそ聴いてもらいたいと思っている。

 それは、現在のJ-POPが何故このような表現形態をとっているのかを読み解く重要なキーになっているからでもあるし、欧米のポップミュージックの本場から離れた国の音楽の評価基準のいびつさを再認識できるキーでもあるからだ。これから、短期連載の場を借りてK-POPとJ-POPの深い関係から、欧米のポップシーンから離れた私達の「カッコいい」基準のゆがみまで駆け足で話していこうと思う。

 せっかく手に入りやすくなったK-POPを、手に取らずに嫌う前に、ちょっと話を聞いてもらえると幸いだ。

K-POPがダサい理由は、J-POPがダサい理由と同じ!

 では、まずK-POPがダサいと思われるもっとも大きな原因だろうと思う「演歌」っぽさから考えてみる。日本の若い層にはおおむね、「演歌っぽい」というのは古臭い、ダサいの意味で捉えられる。日本の曲なら演歌っぽい=古臭いと一蹴できても、韓国は外国。どうして外国である韓国の音楽が演歌っぽいのか? この疑問に答えられる人は少ない。たまたま似てしまったのか、固定概念どおり韓国がパクったのか。そもそも演歌っぽいってなんだ?

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