涙の卒業・涙涙の初舞台~芸名の由来~

「タカラヅカ」を支えているのはトップスターだけじゃない!100年以上の歴史を持ち、未婚女性たちが「清く、正しく、美しく」をモットーに歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、モヒカンの悪役や貫禄のあるおじさん役を全力で演じきる名バイプレイヤー・天真みちること「たそ」の姿があった……。元SMAP中居正広に「友達になれそう」と、元花組トップスター明日海りおには「宝塚に新ジャンルを築いた」と言わしめた伝説の元タカラジェンヌによる、誰も知らない爆笑宝塚エッセイ。

どうも。猛威という猛威が世界各国で振るい散らかしておりますね(文法あってるのか)。

さまざまなイベントが軒並み「延期」か「中止」を迫られているなか、私の出演するディナーショーも7月へ延期となってしまいました……。
正直、「コロナコノヤロー!泣」くらいの気持ちではいますが、これ以上感染拡大しないように日頃から健康管理を徹底して、パニックにならずに冷静に対応していければと思います。

宝塚歌劇も休演となり、不要不急の外出を避けろという事なので、もし突然のお暇ができた方はこちらの連載が現時点で11話ありますので、良かったら読み返してみてください(うまく宣伝できた気がするぞ……)。

ということで、前回半ば強引に音楽学校最後のイベント「文化祭」までびゅびゅんと進んでしまいましたが……今更、色んなネタを思い出したりしてるんですよ。

例えば、「こう見えてMJ」ほぼレギュラーになりつつある同期・大崎緑さんの「涙の一筋事件」とか、とある同期の言い間違いが引き起こした「『男教室』事件」など、まだまだ沢山の事件簿が残っているのです……。

ので!
今後、ふと思い立ったときに「時を戻そう(ぺこぱ)」したいと思います。

さあ、前置き長太郎になりつつあるのでそろそろゴー♪


ディープインパクト~芸名の由来~

文化祭も無事に終わり、あとは卒業の日を待つ私たちが、宝塚歌劇団に入る前にしなければならない一番大切なことがある。

それは……「芸名の提出」だ。

自分たちのタカラジェンヌとしての「体」を表す「名」。
この先、劇団生として活動していくにあたって必要不可欠であり、兎にも角にも、芸名が無いことにははじまらない。

かつては、『万葉集』や『百人一首』の中から創始者の小林一三先生がひとりひとりに名前をつけられていた、的なお話も聞くが、100年以上続く劇団ともなると、さすがに万葉集の言葉もネタが尽きてしまうだろう……。
ということで現在は、自分たちで付けた名前を提出し、劇団サイドに可否を問う形になっている。

生徒たちは皆、それぞれ家族や、師事していた師匠と共にそれはそれは丁寧に芸名を考える。尊敬するスターさんのお名前から一文字頂く子もいれば、親子でタカラジェンヌの場合は芸名をそのまま受け継いだりする特殊なケースもある。

そんな中、私はというと……
じつは提出時まであまり深く考えていなかった。

ただ、私の名前「みちる」は、両親が名付けてくれた本名であり、元々ひらがな表記でクラス替えの時も一発で見つけられたし(当時は漢字の名前の子が多かった印象)、友達からも「芸名みたいだね」とよく言われていたので、このまま使おうと思っていた。

残るは……苗字だ。 悩みに悩んで、合唱の授業中に譜面の端っこに候補を書き連ね、近くにいる同期にアンケートを取ってみたりしたのだが(悪い生徒だな)、どうもしっくりこない。

そんなこんなで提出期限が近づき、慌てふためいていたある日の休日、 同期の花織千桜(はなおり・ちさ/現在はバレエスタジオ主宰)に誘われて、花織がかつて通っていたバレエスタジオの発表会を観に行くことになった。

開演時間になり、アナウンスが流れる。

「本日は天満バレエ教室第○回発表会を……」

観劇しながら、ふと頭の中で会話が始まった。


たそ①:「へえー。天満バレエ教室っていうのかあ」

たそ②:「かっこいいね!『monster』のDr.テンマみたいで」

たそ③:「『鉄腕アトム』のアトムを生み出した博士も天馬だね」

たそ④:「てか、テンマみちるって……良さげじゃない?」

たそ本人:「良さげだね!!」


直後、隣で観劇していた花織に、「『テンマみちる』にしたいんだけどいい?」と唐突にその場で許可をもらい、座右の銘である「天真爛漫」の漢字を使うことにした。

こうして、「天真みちる」は爆誕した。

なお、宝塚歌劇団が年に一度発行している『宝塚おとめ』という、タカラジェンヌのタレント名鑑があるのだが、そこに載っている自分のプロフィールの「芸名の由来」には、「天真爛漫から」としか記載していない。

本当は、「(同期が)尊敬する先生より頂きました」とか書きたかったのだが、関係性があまりにも謎なのと、いきさつを書くだけでスペースのすべてが埋まってしまう恐れがあったので、極力シンプルな表現にさせてもらった。

土壇場で生まれた芸名だが、今ではとても大切なもう一つの名前だ。

ちなみに、芸名は過去に同じ名前や似た名前の方がいらっしゃる場合があり、劇団NGに備えて第2希望まで記載することができる。本人的にはかなり「天真」を気に入っていたので、第1の時よりは少し楽な気持ちで、一応、天真が通らなかった時のために第2希望まで考えようと、思いを巡らせた。

……のだが、なかなかに良い名前の候補は出てこない。

いいアイデアが出ないまま、時間だけが過ぎる……。思考回路が完全に袋小路に入ってしまった私は、「ま、今日中じゃないし!」と、当時ハマっていたゲームに現実逃避することにした。

そのゲームのタイトルは……


『ときめきメモリアル Girl's Side』

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こう見えて元タカラジェンヌです

天真みちる

「タカラヅカ」を支えているのはトップスターだけじゃない!100年以上の歴史を持ち、未婚女性たちが「清く、正しく、美しく」をモットーに歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、モヒカンの悪役や貫禄のあるおじさん役を...もっと読む

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コメント

ibara22255 https://t.co/iuQJHl9jUD 天真さんの文才すてき!てかときメモwwww 3ヶ月前 replyretweetfavorite

pupu_deneb たそさんのお話面白いなぁ。 生徒たちは皆、それはそれは丁寧に芸名を考えると。おとめの由来欄は何文字まで書けるんかな。詳細に書いてくれてると見ちゃうんだよねー https://t.co/V5vKfqPQIQ 3ヶ月前 replyretweetfavorite

marinaya_s2 たそがときメモやってただなんて❕文章もなかなかおもしろい🌱💭 3ヶ月前 replyretweetfavorite

Do43018890 タカラジェンヌもときメモやってたんだなって思ったら嬉しくなったしにいやんいいよね…分かる… https://t.co/fQJ5J05EkR 3ヶ月前 replyretweetfavorite