ここ数年で「自己肯定感」という言葉をよく聞くようになった。
お悩み解決のスペシャリストとして定評のある私の元にも「どうすれば自己肯定感を上げられますか?」という質問や相談は、ほぼ毎日のように寄せられている。
正直なところ、私はその度に「自己肯定感なんかどうでもいいよ」と思っていた。そんなものはあってもなくても実益や実害がないことだから問題視する価値がない、と。
しかしつい最近なって「いや、自己肯定感が低いことには実害があるな!!」ということに気が付いて、このことは多くの人に広める必要があると思ったので、今回はこのテーマについて語ることにした。
結論から言うと、自己肯定感が低いことって実は自分の問題ではなくて【他人に迷惑だから気をつけたほうがいい】と思う。
恋愛リアリティーショーを観ていたら
先日、とある恋愛リアリティーショーを観ていた時に、こんなシーンがあった。
そこには、イケメンの男性と、自己肯定感の低い女性が映っていたのだけど、2人が出会って2日目のこと、女性は彼から何をされたわけでもないのに「彼はすごくいい人。ノリもいいし話もうまいし、絶対にモテると思う。でもだから不安!ああ、もう、私、病んできた!だって私の人生で彼のような人から好かれたことなんてないし、あんな素敵な人が私なんかを好きになるわけない!ってことは、この企画が終わる頃に、私だけが彼のことを大好きになってて、でも彼はそうではなくて、私は傷つく結末になる!それを考えたらもう辛い」と言って落ち込み始めていた。
そしてその後、笑顔で現れて優しくしてくれていたイケメンに向かって、いきなりそのネガティブを撒き散らした挙句、ワンワンと泣いていた。
私はその様子を見ていて「なるほど、これか」と目からウロコが落ちた思いだった。思えば、こういう人はよくいるし、こういう不安定な言動は何度となく耳にしたことがあった。これが「自己肯定感が低い」という状態だとするならば、なるほど、すごく実害がある。
たとえば、この女性の場合。
彼女の言動の何が害かって、相手との間に何かが起こったわけでもないのに【家から持ってきた個人的なネガティブ思考を、すごく一方的にぶつけている】こと。
家で一人で片付けてきてください
彼女は、目の前のイケメンから何かを言われたりされたりして反応をしているわけではなく、完全に自分の世界に入り込んで自爆をしていて、本人としては「あなたと私の間にはこんな問題が生まれていて、私は不安を感じている」風に語っているのだけど、実際にはその問題にイケメンは関与していない。その不安は、彼と出会う前から抱えていた彼女の個人的な悩みであり、完全に彼女自身の問題だ。
つまりそれは本人の個人的な課題であり、そういうのはデートには持ち込まずに家で1人で片付けてきてくださいって話だし、部外者の彼に解決を求めるのは全くのお門違い。
「あなたは絶対モテる、でも私はモテたことがないから不安!」って、さすがにその不安は相手のせいではなし、その落ち込み方はひたすら自分勝手。
つまり、自己肯定感の低い人って、家から持ってきたような自分だけの問題を他人との関係に持ち込むところがダメ。
さらに言えば、相手のことをもはやちゃんと見ていないのもダメダメ。自分の暗い過去や欠点ばかりを見つめていて、つまり自分のことで頭がいっぱいで、目の前の相手とのコミュニケーションには上の空で、自問自答ばかりして勝手に落ち込んだり、勝手に傷ついたり、勝手にこじらせたりしてる。
逆に言えば、どれだけ自己肯定感が低かろうと、そのあたりに気を付ければ全く問題がないと思う。
自分の問題を、他人への不安や不満にすり替えてギャンギャン言い出したり、悲劇のヒロイン面をして泣き出したりしなければ、実害はない。
自己肯定感が尋常じゃなく高い夫
ちなみに最近ふと気付いたのだけど、夫は、自己肯定感が尋常じゃなく高い。
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