牛込の加寿子荘

牛込の加寿子荘」 第二十六話

移ろい行く神楽坂の風景。そして同じく移ろい行く加寿子荘の住人模様。新しい住人ヤエコさんの部屋からはソウルフルな歌声が聞こえてきます。 築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説!

神楽坂の、赤城神社がなくなる。

正確にはなくなるんじゃなくて、土地を大幅に売り払うのかなんなのか、敷地の大半をマンションにしてしまう。お社は新築し、境内の木々はおおかた切り倒して新しい社殿の資材とするらしい。

だれが悪いのか、わかりません。そもそも悪いのか良いのかもわかりません。徒歩5分くらいのところに住んでいるわたしには、説明を聞く機会もないし、きっと権利もありません。

高台に位置し、数少ない土の地面がいきいきとあって、木々は高く茂って社とともにこの地を守ってきた赤城さん。植物と土とともにある、鎮守という名もふさわしい、数百年ありつづけた赤城神社です。それがぜんぶ、形としてはなくなってしまいます。

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能町みね子

築40年を超える「加寿子荘」での生活風景。能町みね子の自叙伝風小説!

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