キザなイタリア人が、一輪の赤いバラを手に玄関のチャイムを鳴らしたので、お引き取り願った。
私は
しかし、赤いバラに感激して喜ぶ女たちもいる。何て素直で純粋でやさしいんだろう。
そういう女に私もなりたい、なぜなれない?
どんどん自分が嫌になってしまう。赤いバラを差し出されてデートに誘われたら、yesと言える女でいたいのに。
長年連れ添ったマネージャーから赤いバラの花束を贈られた時は泣いて怒ってしまった。なぜこれだけ一緒にいて私の話を聞いていないんだろう? 好きな花や嫌いな花の話や、色々なエピソードや、あれ? この間の会話も、何? 何も聞いてなかったの? 人を責める自分が嫌になる。どうして赤いバラで喜べないんだろう。
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