子どもを信じる
ある敏感な中学生が私に言いました。
「お母さんが、私のことでイライラするのを見るのが一番つらい」
はじめから親に心配をかけたいと思っている子どもはいません。できればお母さんにはいつも笑っていてほしい。自分のことが原因で、お母さんを悩ませたり悲しませたりしたくない。
自閉スペクトラム症を抱えた作家の東田直樹さんも、「自分のことで両親が心配したり悲しむことはとてもつらい。両親には笑っていてほしい」と書いています。
子どもというのは、みんなそう思っています。
これは、親としてだれもがもっと意識したほうがいいことだと思います。
それには、子どもを信じてやることが大切です。
当人の意思をできるだけ尊重してあげてください。
「どうしてそんなことばかり言うの」と頭ごなしに𠮟ったり、イライラをぶつけてしまったりしないであげてください。
「そんなはずないでしょ」とバカにしたり、あざ笑ったり、からかったりしないであげてください。
敏感なために、世間から奇異な目を向けられることがあったら「この子はそういうのが好きじゃないんですよ」と守ってあげてください。
基本的に、温かい気持ちで見守ることが必要です。
しかし、いつまでも過剰に心配して世話を焼きすぎないこと。子どもの自主性を尊重して、何かあったらいつでも支えるからという姿勢で、適度な「つかず離れず」の関係になれると、ベストだと思います。
この章の最後に、敏感な子どもを育てていくために大切なことをまとめておきます。
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