親が敏感タイプではなかったら
HSCの親がHSPである場合とそうでない場合、いったいどのような違いがあるのでしょうか。
まず、理解度がまったく違う、ということがあります。
親がHSPでない場合、子どもの言っていることを理解できないので、「何をバカなことを言っているんだ」「何をわがままなことを言っているんだ」と思ってイライラしたりすることもあります。何度もお話ししているように、そのイライラは隠しても子どもに伝わります。
敏感さをこじらせてしまう子は、親がHSPではないケースが多いですが、その一番の理由は、理解してもらえず、いろいろな場面で否定され支配されて育っていることにあります。
ですから、普通の感覚で、親としての先入観で、子どもの言動を否定したり、定形的な価値観を押しつけたりしないように注意する必要があります。HSCは相手が感じていることを察知しやすいので、親の意向に合わせようとすることが多いからです。それによって自分の感情を抑制してしまうこともしばしばあります。
その点、親がHSPであれば、敏感な子どもの気持ちを理解しやすい。
ただし、どんなふうにどの程度敏感さを感じるか、そのあらわれ方は人によってそれぞれ違います。一般的に、親よりも子のほうが、症状が強く出るという傾向があります。だから、「私の小さいときよりずっと敏感だ」となることが多い。敏感なお母さんよりも、子どもはもっと敏感だったりするのです。
敏感な親は、敏感さが持つ大変さを身をもって知っているだけに、前述したように心配しすぎて過保護、過干渉になりやすいところがあります。
いずれにしても「普通の子育てとは違う」という意識が必要になります。
もしも、親であるあなたが敏感さのことを理解できなかったら、だれか敏感な人を探して、どういう感じなのか聞いてみるといいと思います。HSPは5人に1人の割合でいるといわれていますから、注意を払ってみると、身近なところにだれかいるはずです。
「それはきっと、こんな感じ方をしているんだと思う」
「お母さんを困らせようと思って駄々をこねているわけではなくて、たぶん本人はつらいんだよ」
といったことを具体的に聞かせてもらうことで、敏感な人のものの感じ方を意識するようになります。
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