イヤな気分」とどうつきあうか―おわりに

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcakesで特別連載!(毎週火曜更新)

おわりに

「イヤな気分」とどうつきあうか、エスカレートさせないためにはどうしたらいいか、そういうテーマで語ってきました。
 最後にひとつ、大切なことをお話しさせてください。
 イヤな気分になるのはいけないことだとか、うつは絶対になってはいけないものだとか、そういう考えは、じつは私の中にありません。多くの人が、「うつにならないようにしなくては!」と言いますが、もし最初からうつにならない特効薬みたいなものがあって、誰も悩まなくなったとしたら、そのほうが怖い世の中になると、私は思うのです。
 悩まなくなると、人は傲慢になります。
 そうなると人の気持ちがわからなくなるため、「奪ってやろう」とか「傷つけてもかまわない」という思考に傾いてしまいます。
 人の痛みがわかるから、自分と向き合っていろいろなことを考えるからこそ、「もっといい方法はないのか、人にやさしくしながらいい社会作りはできないのか」という発想も出てくるのです。
 イヤな気分になったら、うつになったら、そこからいっぱい学べばいいのです。「ラッキー! また私、人間らしくなれたわ」と思えばいいのです。
 涙の数だけ、人の心は深く広くなります。苦しんだ分、受け入れる力や柔軟性が身についていきます。悩むから本も読むし、もっと学ぼうと思うのです。

 私もそうでした。長い間、「どうしたら普通になれるのか」ともがいていました。
「どうやったら普通になれるか」なんて、本来はそんなことで悩まなくていいのですが、そういうおかしな悩みを持って一生懸命勉強したから、哲学や心理学、神学についてたくさん知識を得ることができたのです。
 そうして、社会で起こっている出来事に、よりいっそうの関心を持つようになり、「これの発祥はこうだから今はこう見えているけど、本当はこうなんじゃないかな」などと、自分なりの仮説を立てられるようになりました。
 苦しいからたまたま手当たり次第に学んだのですが、そのすべてが自分の知識や経験となり、自分の器を広げてくれました。

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イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ

玉川真里

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcak...もっと読む

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