瀬戸内海に浮かぶ、豊島
といえば、今では直島に次ぐ、アートの島として知られています。でも実は、こんなに島民と触れ合える島は他にはないんです! 目玉は民泊と呼ばれるもの。民宿ではなくて、民泊。普通のお家に泊まることができるんです。その宿泊スタイルとは? 実際に体験しようと、一路、豊島に向かいました。
香川県高松港からフェリーで約50分。豊島の家浦港につくと、民泊先である緋田さん家のお母さん、ハナエさんが「よう来たねえ」と子どもが帰ってきたかのように出迎えてくれました。「豊島は自転車が便利なんよ」と、さっそく連れて行ってくれたのは、港すぐそばのガソリンスタンドにあるレンタサイクル。1日300円で自転車を借りることができます。
「これでがんばれば島内を一周することもできるんよ」とのこと。その後、自転車を引きながら、港から歩いて3分ほどの路地にある緋田さん家に向かいます。家は平屋で離れ付き。入り口の扉を開くと中央に庭があり、左右に母屋と離れがあります。宿泊者はそれぞれ1組ずつ泊まることができます。
部屋も畳の部屋で実家感満載。「2組泊まるときはご飯も一緒に食べるから、そこで仲良くなって、翌日一緒に観光に行く人も多いんよ」とハナエお母さん。民泊ならではの醍醐味ですね!
自分のご飯は自分で収穫
さて、ゆっくりしようかと思っていたところ、里親ならではの容赦なき指令が。「明日の朝食のために畑に野菜をとりに行くからついてくるように!」 そう、食事を一緒に作るのも緋田さん家の民泊の特徴。今回は朝食だけお願いしましたが、夕食も一緒に作ることができます。
これまた歩いて3分ほどの畑には、それはもうたくさんの野菜が植わっています。ネギ・ほうれん草・ナス・じゃがいも・トマト・たまねぎetc...。今日はこの中から明日和え物に使うほうれん草と、サラダに使うたまねぎをとります。ひとまず朝までの楽しみにして、家に戻ります。
「3年前に瀬戸内国際芸術祭が始まって、観光客がたくさん来るようになったけど、豊島には泊まるところがほとんどない。それでみんなで知恵をしぼって民泊が始まったんよ」。今現在、民泊できる家、漁師さんや、そうめん工場、養鶏場など、バラエティ豊かなお家が迎えてくれます(豊島観光協会のホームページ から要予約)。
ハナエお母さんさんの家はお父さんの繁太郎さんとのふたり暮らし。子どもはすでに独立しています。「泊まりに来てくれた人がリピーターになってくれたり、手紙をくれたり。やっぱり新しい娘や息子ができたみたいで楽しいんよ」と語ります。
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