五島列島の魚は旨いー。
福岡・博多から、五島の“へそ”奈留島へ向かう約9時間の間は、その期待を最高潮に高めておいて。この島には、魚が宇宙規模で美味しく感じられる体験が待ってます。
様々な様々な海の幸をのせてやってくる対馬海流に面した五島列島は、日本でも指折りの漁場。なかでも島内に9つの漁港を持つ奈留島(なるしま)は、水産高が町の盛衰を左右するとさえいわれるほどの“漁師の島”です。
朝8時10分、奈留港着。さて降り立って早々ですが、まずは朝8時半オープンの奈留町漁業組合の購買部へ行き、一気にテンションを上げましょう。お目当てはもちろん、ついさっき水揚げされたばかりの新鮮な魚。この日は山盛りのアジが何箱も積まれ、ざくざくとカゴに盛られての量り売り。ホワイトボードに「アジ400円」と書いてありますが驚くなかれ、1kgあたりのお値段です。他にも、イサキやメジナなど旬の魚介が並ぶ、まさにお魚天国!
魚モードをMAXにしたところで、奈留港の案内所で自転車を借り島巡りへ。島のメインストリートを北へ進み(子どもたちが島外に出て戸惑わないようにと設置されら島唯一の信号機あり)、江上天主堂が建つ島の西側へ向かいます。海岸沿いの道を潮風に吹かれながら驚くのは、海と食卓の近さ。
釣り竿を持った子どもたちが走り、相ノ浦湾や大串湾ではおばあちゃんたちが岩牡蠣を、横では孫がアオサを取って遊ぶ。これが夕飯のお味噌汁の具になるんです。連なる山々が海に沈んでできたという五島列島の平地はわずか。家の間際まで迫る海は、奈留島の人々にとってもはや庭なのでしょう。