新羅を再び討つ①
神功皇后摂政四十九年三月、皇太后は、アラタワケ(荒田別)、カガワケ(鹿我別)を、将軍に任命しました。
そして、クテらと共に軍を整えて海を渡り、卓淳国(とくじゅのくに)に到着して新羅を襲撃しようとしました。そのとき、ある人が、
「少数の兵士では、新羅を破ることはできないでしょう。さらにサハク(沙白)、コウロ(蓋盧)※1を皇太后に仕えさせ、増兵を要請しなさい」
と言いました。
そこで、モクラコンシ(木羅斤資)、ササナク(沙沙奴跪)※2に精兵を率いさせ、サハク、コウロと共に派遣しました。皆、卓淳に集結して新羅を討ち破り、比自ほ(ひしほ※「ほ」は火へんに本)、南加羅(ありひしのから)、喙国(とくのくに)、安羅(あら)、多羅(たら)、卓淳、加羅(から)の七国※3を平定しました。
続いて軍を移動させ、西方に廻り、古奚津(こけのつ)※4に至って忱弥多礼(とむたれ)※5を滅ぼし、百済に授けました。
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