あまりの格差に笑いがこみあげる

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は、武田砂鉄さんの「面白すぎる擬人化」について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

武田砂鉄の錬金力
こんなにも愛着が湧くなんて。


同じ物事を見ているはずなのに、思いもよらない角度から攻めてくる。
そんな世界が存在したんだ、というまったく予想外な視点。



鼻毛ですよ鼻毛。
なんでもいいからなにか書けと言われて、なにについて書こうか、まったく思いつかなかったとしても、わざわざ“鼻毛”をテーマにしようと思う人はいないでしょう。

この文章は、“鼻毛”に焦点を当てた時点で偉いなのか。
テーマ選びに迷ったときは、鼻毛や耳垢やガムの食べかすのように、どうってことのない、誰も見向きもしないような物事を取り上げれば、文章というものは面白くなるのか。

いや、決してそんなことはない。
鼻毛を選んだから面白いわけじゃありません。
鼻毛というものを分不相応に取り扱ったから面白いのです。

もう、鼻毛鼻毛なんて連発して大丈夫か私、と思わなくもないですが、あえてこういう手法を“鼻毛格差”と名付けて、連呼することにしましょう。

さてまず、この文章において鼻毛はどんなふうに扱われているでしょうか。

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文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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