角度を変えたら、あ…

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は、齋藤孝さんの「強い言葉の作り方」について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

齋藤孝の更新力
言葉がだんだん胸の奥深くまで届いてくる。



“書く前に、この文章で言いたいことを、コンパクトにまとめておこう”

これはわかりやすい文章を書くための心得として、メジャーな教えです。
しかし言いたいことをコンパクトにまとめてみたら、やばい、本当に「コンパクト」に終わってしまった。言い足りない。どうしよう? もっと話をふくらませることはできない? もっと気の利いた表現はできない? ああ〜! なんにも思いつかないよ! って頭をかきむしりたくなるようなときはないですか? 
私はしょっちゅうあります。(もしかしたら文章に書くほどのネタじゃないのでは?)って疑うのもしんどいですよね。

でも私は、そんな時の解決策を日本語のカリスマ・齋藤孝先生の文章から学びました。

言いたいことは展開しなくても、“言い換え”てみればいいんだ。
そうすれば、スルメのように読めば読むほど味わい深くなるんだ、と。



この文章の前に齋藤孝先生は、自分になにか嫌なことがあった時のストレス発散法を書いています。
プールで泳いだり、浮かんだり、ジムでいつもよりも負荷を高くしたり、頭を思いっきり揉んだり。

齋藤孝先生の場合は「泳ぐ」「浮く」「踏ん張る」「揉む」が当てはまるけれども、人によってフィットする動詞は違うだろうから、自分なりの動詞を見つけよう、意識しよう、そうすることで自分のキャラクターを、社会にどう活かせばいいかがより鮮明になる、というようなことをおっしゃっています。

ここまでは「はあ、なるほどな」と淡々とした気持ちで読み進みましたが、このあとの文章で、頑固な私は一瞬にして落とされました。


〉「名は体をあらわす」という言葉があるが、私はむしろ「動詞は体をあらわす」と考えている。



な、納得しかない。

わかりますか。この文章のどこが私の心をわしづかみにしたのか。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

言葉の発信力をあげたい人へ。

この連載について

初回を読む
文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

tuketakuFP 実践的でわかりやすい! 5ヶ月前 replyretweetfavorite