高田明の視点力
なんでこんなに「ほしい!」と思わされてしまうんだろう?
つまるところ、文章を書く意味ってなんだろう。
言ってしまえば、文章なんて「言葉を並べかえているだけ」じゃないか。
自分の頭に浮かんだことを、ただそのまま文字にしているだけじゃないか。
だとしたら文章の価値って、一体どこにあるんだ。ってそもそも文章って、一体なに⁉︎
…頭の中でそんな哲学がはじまると、まったく書けなくなります。
そんなときに“効く”のがこの文章。
いやほんとそのとおり! と、何度読んでも、思わず心の中で叫んでしまう。
ものすごく計算されて作られた文章です。さすがジャパネットたかた…と震えます。
みなさんもご存知、ジャパネットたかた元社長の高田明さんは、家電でも衣類でも健康器具でもなんでも、視聴者に「ほしい!」と思わせる話術の持ち主。
いままでほしいと思ったことのない商品の紹介でさえも、つい聞き入ってしまった人は少なくないでしょう。
が、すごいのはトークだけではありません。
高田さんが「セールストークの原稿を作成する人」だということは案外忘れられがち。
文章のゴールは「読者の心を動かすこと」ですけど、セールストークのゴールは「商品を買いたくなるように心を動かすこと」。さらに「買う」という行動をさせる必要があります。
あるシニア向けウォーキングシューズを売るとき。普通ならそのウォーキングシューズの良さを伝えたいですよね。たとえば、他のシューズと比較する。シューズを使うような場面について語る。新機能のすごさを目一杯話す、など。
でも高田さんは、そんなやり方をまっこうから否定するんですよ! cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
自分にとってのシューズの良さではなく、お客さんにとってのシューズの良さを話せ、と。