世界屈指のアカデミア、米ハーバード大学。ここに年間400人超の大学院生が受講する人気授業がある。その名も「健康と社会」。教壇に立つのは、公衆衛生大学院のイチロー・カワチ教授だ。人々の健康格差がなぜ生まれるのか、社会経済的な要因を明らかにする「社会疫学」の世界的権威である。
日本で生まれ、ニュージーランドで臨床医を経験し、公衆衛生研究のメッカである米国へ。経歴のままに、従来の枠組みにとらわれない新たな社会疫学に挑戦している〝健康の賢人〟。格差と健康をめぐり、世界で何が起こっているのかを聞いた。
──なぜ臨床医から研究者へと転じたのでしょうか。
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