
「人は見た目が9割」ともいわれ、第一印象で好意を得るためには身だしなみや表情、気持ちのよい話し方が大切です。しかし、見た目の第一印象だけで取引先を説得できるほど世の中は甘くありません。
例えば、エレベーターの中で取引先の重役と偶然出くわしたとき、あなたは密室の数十秒をただ笑顔を作ってやり過ごしますか。それとも相手の気持ちを動かすような「一言」を仕掛けますか。
心を動かす一言を伝えられたほうが、強い印象を与えます。しかし、実際には考えがまとまらず、前置きばかりが長くて核心部分をうまく伝えられなかったりするものです。
私たちは話の内容、つまり言葉自体の第一印象をもっと意識したほうがいい。人の心は切れ味の鋭い一言に動かされる。第一声こそ説得力の肝なのです。
なぜ、一言あるいは一文という短さにこだわるべきなのか。伝えたいことはたくさんあるでしょう。しかし、新聞を全面読んでも、頭に残るのは気になる記事や一面トップの見出し、リード(前文)くらいではありませんか。素晴らしい話を聞いても人が覚えていられる内容は、ほんのわずかです。
営業や交渉、会議の場面で相手を説得しようと思いのまましゃべり続けると、中身が拡散されて伝わらない。一言に凝縮しなければ相手の心には刺さりません。
では、胸を打つ一言をどうやって生み出すのか。
コピーライターは凝縮された重みのあるキャッチコピーを作るために時間をかけて言葉を選び、練り上げます。一瞬で相手をとりこにする一言をスッと言えるようになるには、言葉を絞り込む作業と訓練が必要です。
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